ボクシング 岡澤セオンがパリ五輪内定 アジア大会決勝進出で

中国の杭州で行われているアジア大会のボクシング男子ライトミドル級で岡澤セオン選手が決勝に進出して来年のパリオリンピックの出場権を獲得し、2大会連続の代表に内定しました。

アジア大会のボクシングはパリオリンピックの予選を兼ねていて、男子は決勝に進出すれば出場権を得られます。

男子ライトミドル級では、27歳の岡澤選手が出場し、先月30日の準々決勝でことしの世界選手権で銅メダルを獲得したインドの選手に判定勝ちして準決勝に進んでいました。

そして、3日の準決勝ではことしの世界選手権で金メダルを獲得したカザフスタンの選手と対戦し、3対2の判定勝ちで接戦を制して日本選手としてアジア大会で29年ぶりとなる決勝進出を決めました。

この結果、岡澤選手は、来年のパリオリンピックの出場権を獲得しおととしの東京大会に続く2大会連続となるオリンピックの代表に内定しました。

日本の選手で、パリオリンピックのボクシングの代表に内定したのは岡澤選手が男女を通じて初めてです。

岡澤セオン 東京五輪では2回戦敗退

男子ライトミドル級の岡澤セオン選手は、山形市出身の27歳で相手のパンチを機敏によけるディフェンスの技術に定評があります。

父はガーナ人、母が日本人で、中学までレスリングを続けボクシングは、日大山形高校1年の時に上級生に誘われたことをきっかけに始めました。

進学した中央大学でもボクシングを続け、卒業後は、民間企業への就職が内定していましたが、大学の後輩の紹介で鹿児島県に拠点を移して選手として現役を続ける道を選びました。

オリンピックに初めて出場したおととしの東京大会ではウエルター級で臨み、金メダルを獲得したキューバの選手に2回戦で敗れました。

それでもこの年の世界選手権では別の階級の坪井智也選手とともに、日本選手として初めて金メダルを獲得しました。

アジア大会に向けてはパリオリンピックで実施されるライトミドル級に階級を上げ、これまでより体格で勝る相手との実戦感覚を養うために海外にたびたび渡り、得意のディフェンスなどを磨いてきました。

この中ではことしの世界選手権で金メダルを獲得したカザフスタンの選手や銀メダルのウズベキスタンの選手などともスパーリングを行っていて「すごく自信になったし、戦えるだけの力があることは確認できた」と自信を示していました。

ボクシング女子 アジア大会では敗退 代表内定ならず

一方、アジア大会のボクシングで日本の女子は5つの階級に出場しましたが、いずれも敗退し、代表内定はなりませんでした。

女子は今回のアジア大会で、ウエルター級以上が決勝進出、ライト級以下は準決勝に進出すればパリオリンピックの出場権を得られました。

日本からは5つの階級に出場しましたが、東京オリンピックで銅メダルを獲得したライトフライ級の並木月海選手など3人が初戦で敗退しました。

また、階級は違うものの去年のアジア選手権で日本女子で初めて優勝したバンタム級の木下鈴花選手と、フェザー級の吉澤颯希選手は準々決勝で敗退してあと1歩で出場権を逃しました。

今後、パリオリンピックの出場権を得られるのは来年、イタリアとタイで行われる2回の世界予選となります。

日本ボクシング連盟は、ことし11月に行われる全日本選手権でパリオリンピックの実施階級で優勝した選手を2回の世界予選の代表に決めることにしています。