10年もの国債 「表面利率」0.8%に引き上げ 10年ぶりの水準に

財務省は、今月発行する10年ものの国債について、利息を示す「表面利率」を0.8%に引き上げると発表しました。日銀が金利操作の運用を見直し、市場の利回りが上昇していることを踏まえたもので10年ぶりの水準となります。

発表によりますと、今月発行する満期10年の国債の「表面利率」は0.8%となります。

「表面利率」はことし7月以降、0.4%となっていて2倍に上昇します。

日銀がことし7月の金融政策決定会合で、金利操作の運用を見直し長期金利の変動幅の上限について事実上、1%まで容認する方針を決めたことで、市場で長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りが上昇していることを踏まえました。

10年ものの国債の「表面利率」が0.8%以上になるのは2013年10月以来10年ぶりです。

政府は今年度の当初予算で、国債の利払い費の利率を1.1%と想定して予算を計上していて、今回の引き上げで直ちに国の事業などに影響を与えることはないとみられます。

一方で、財務省はこのところの長期金利の上昇を踏まえ、来年度予算の概算要求で国債の償還や利払いに必要な「国債費」について今年度の予算を2兆8900億円上回る28兆1400億円を要望しています。