9月も“異例”の暑さ 平均気温125年間で最も高く 7・8月に続き

ことしの9月は、“異例”といえる暑さでした。
9月の平均気温は平年を2度以上も上回り、気象庁が統計を取り始めた125年間で最も高かったこの夏に続き、9月としても最も高かったことが分かりました。

気象庁は2日、ことし9月の天候のまとめを発表しました。

それによりますと、9月の日本の平均気温は平年と比べて2.66度高くなり、ことし7月と8月に続き、気象庁が統計を取り始めてからの125年間で最も高くなりました。

平年との比較を地域別にみますと、
▽北日本と東日本で3.1度
▽西日本では2.3度
▽沖縄・奄美で0.8度
高くなりました。

このうち、
▽仙台市や長野県松本市で3.9度
▽東京の都心で3.4度
▽姫路市で2.9度
高くなるなど、9月として過去最高となった地点は全国153か所のうち111か所にのぼりました。

9月は下旬になっても異例の暑さが続き、28日には静岡市や甲府市、三重県桑名市では日中の最高気温が35度を超え、いずれも統計を取り始めてから最も遅い猛暑日を観測しました。

暑さの要因は?

夏に続き、9月も異例の暑さとなった背景について、気象庁は、平年と比べて偏西風が北へ偏り、太平洋高気圧が日本の東で強まったことで、暖かい空気に覆われやすかったとしています。

また、夏から高温傾向が続く海面水温も要因の1つとみられています。

日本近海では、9月に発生した台風が2個と少なかったため、海水がかき混ぜられることがほとんどなく、海面水温が下がりにくかったということです。

日本近海の9月の平均海面水温は平年より1.6度高く、統計を取り始めた1982年以降、9月としては最も高くなり、大気が暖められたことで高温につながったとしています。

10月の見通しは?

10月2日は、北日本から西日本にかけて各地で30度を下回り、これまでの厳しい暑さがようやく和らぎました。

来週は本州付近に寒気が入る見込みですが、その後、エルニーニョ現象の影響などで暖かい空気に覆われやすく、月を通しては、全国的に平年より気温が高い傾向が予想されています。

また、海面水温も日本近海の全域で平年よりかなり高い状況が続く見通しです。

気象庁の担当者は「9月にこれだけ高温となるのは珍しく、率直に言って信じられない。温暖化が進むにつれて、将来、この気象状況が“平年”になる可能性もあると受け止めている」としています。

そのうえで、「日本近海の海面水温が高い傾向が続くと、台風が日本に接近した際に大量の水蒸気を得て発達する可能性はある。今月も台風に備えてほしい」と呼びかけています。