社会

山形市の認定こども園 園長が性的虐待 子ども受け入れ1年停止

山形市の認定こども園で60代の男性の園長が複数の園児に性的虐待をしていたなどとして、市は3日、園側に対して新規の園児の受け入れを1年間停止する行政処分を行ったことを明らかにしました。市は、専用の相談窓口で園児の心のケアなどにあたるとしています。

山形市によりますと、市内の学校法人が運営する認定こども園で、60代の男性の園長が、去年からことしにかけて、▽女児のおむつを下げたり▽男児の下腹部を服の上から触ったりするなど、あわせて4人の園児に対する性的虐待が確認されたということです。

また、保育教諭の人数を偽って報告し、給付金1000万円以上を不正に受給していたということで、市は3日、会見を開き、園側に対して新規の園児の受け入れを1年間停止する行政処分を行ったことを明らかにしました。

会見で市のこども未来部の担当者は「責任ある立場の者が行った重大事案と受け止め処分を行った」と述べたうえで、▽専用の相談窓口で園児の心のケアなどに継続的に対応していくほか、▽11月に市内の保育園などの職員を対象に研修会を行う考えを示しました。

園側の代理人の弁護士によりますと、園長は、性的虐待について否定しているということですが、「誤解を与えるような行為があったのならば大変申し訳ない」と話しているということです。

専門家“子どもの「サイン」見逃さないで”

今回は職員から園長の不適切な行動について市に相談が寄せられたことがきっかけで明らかになりました。

しかし、被害が潜在化してしまうケースも少なくありません。

特に幼い子どもの場合、被害そのものを認識したりみずから訴えたりするのが難しいことも考えられます。

家庭で気付くためにはどうしたらいいのでしょうか。

子どもの性被害に詳しい追手門学院大学の櫻井鼓准教授は体調不良を訴えたり、ふだんとは違う様子を見せたりする子どもの「サイン」に気付くことが重要だと指摘します。

「例えば、頭やおなかが痛いと訴えてくるとか、よく眠れていない様子があるといった不調です。小さい年齢になればなるほど、ことばとして被害を表現することが難しいので、口かずが少なくなったとか、ふさぎ込んでいるといった様子の変化も見ていく必要があります」

また、会話の中で「触られて嫌だった」など直接的なメッセージが紛れている場合もあるといいます。

「『あれ?』っと思った時は落ち着いて尋ねてほしいです。保護者もショックだと思いますが、子どもは相手の反応によって話せなくなることもあるので、冷静に聞いてもらいたいです。また、社会的な地位がある場合周りが気付きにくいという特徴があるので『あの人はそんなことをするんだろうか』と考えて子どもの訴えを信じられず見過ごされてしまうこともあるので、話をよく聞くことが大事です」

そして被害が分かった場合には、警察や児童相談所、それに性暴力のワンストップ支援センターに速やかに相談する必要があるとしています。

そのあとの家庭での対応としては「心の傷を癒やすためにどこか楽しい場所に連れて行ってあげようと考える保護者もいると思いますが、なるべくいつもと同じ環境、安心できる環境で過ごせるようにしてほしいです。寝るときなど子どもが不安にならないように一緒にいる必要もあると思います」と話していました。

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