ナゴルノカラバフ アルメニアへの避難民10万人超える

アゼルバイジャンが隣国アルメニアとの係争地のナゴルノカラバフで起こした軍事行動のあと、アルメニアに逃れた住民は10万人を超えました。一方、アゼルバイジャン当局は現地のアルメニア系幹部300人以上を国際指名手配したと発表し、現地の統合を進めています。

ナゴルノカラバフでは、アルメニア系の勢力が「共和国」として独立を宣言し支配してきましたが、アゼルバイジャンが先月19日に起こした軍事行動でアルメニア側が敗北したことを受けて、来年1月1日までに行政組織を解体する手続きが始まりました。

ナゴルノカラバフからはアルメニア系住民がアゼルバイジャン側の迫害を恐れ避難する動きが続き、アルメニア政府は2日、10万520人が避難したと発表しました。

現地のメディアによりますと、会見を行った報道官は「人々が移動する主要な流れは止まった。残っているのは当局などの関係者だけだ」と述べ、12万人いたとされるアルメニア系住民はすでに8割以上が逃れ、集団的な住民の避難はおおむね終わったという認識を示しました。

ナゴルノカラバフでは食料不足など人道的な危機が懸念されていて、国連の人道支援チームも1日、現地に到着しています。

一方、アゼルバイジャンの検察当局は1日、ナゴルノカラバフのアルメニア系の幹部ら300人以上に対して、これまでの紛争での刑事責任を問うとして国際指名手配を行ったと発表し、アゼルバイジャン側は、軍事行動の結果を受け、現地の統合を進めています。