北方四島の安全操業 政府間協議されず 国後島周辺での漁できず

日本の漁船が北方四島周辺で、日本とロシアの協定に基づいて行ういわゆる「安全操業」をめぐり、政府間協議ができていないため、例年9月から解禁される国後島周辺でのホッケ漁が現在もできない異例の状況となっています。

北方四島の周辺で行われる「安全操業」は日ロ政府間の協定に基づき、期間や漁獲量などを毎年、交渉で決めて行われますが、ロシアによるウクライナ侵攻で日本が制裁措置を行う中、ロシア外務省は、ことし1月、政府間協議を「実施できない」という趣旨を日本側に通知し、協議を開始できていません。

このため、北海道東部の羅臼町の港を拠点に例年9月16日から解禁される国後島周辺でのホッケ漁は、ことしは10月に入っても出漁できない異例の状況となっています。

漁協などによりますと、地元の8隻の漁船は、国の支援策として、操業日数に応じて経費の一部の補助を受けながら、いわゆる「中間ライン」の手前の日本側の海域でホッケ漁を行っているということです。

また、例年10月16日から解禁される歯舞群島などの周辺でのタコ漁も見通しが立っていません。

水産庁によりますと、ロシア側からは操業の実施に向けた肯定的な反応は得られていないということです。