特養入所者を廊下で生活させる エアコン故障で 愛知 豊橋

愛知県豊橋市が運営する特別養護老人ホームで、去年とことしの夏にエアコンが故障したため入所者を廊下で生活させていたことがわかりました。その際、廊下に間仕切りを設けずおむつの交換などをしていたほか、入所者の家族にも伝えていなかったということで、豊橋市が実態の調査を始めました。

豊橋市が運営する「つつじ荘」では、ことし8月上旬に3つの部屋のエアコンが故障したため、74歳から101歳までの男女合わせて4人の入所者のベッドをエアコンが効いた廊下に出して生活させていました。

廊下に出されたベッドには間仕切りを設けず、およそ3週間、おむつの交換などをしていて、ベッドを廊下に出したことを入所者の家族には伝えていなかったということです。

また、去年8月にもエアコンが故障して6人の入所者をおよそ1か月間、廊下で生活させていて、こうした問題は外部からの通報で発覚したということです。

豊橋市と特別養護老人ホームは、2日、市役所で会見を行い経緯を説明しました。

このなかで浅井由崇市長は「プライバシーの配慮に欠けていた。入所者の場所の移動を家族に説明していなかったことも不適切だった」と陳謝しました。

豊橋市は施設の職員への聞き取りなどを行い、実態の把握を進めることにしています。

「つつじ荘」所長「意識が欠落」

会見で「つつじ荘」の大井英昭 所長は、間仕切りを設けずにおむつを交換したことは虐待にあたるという認識を示したうえで「こういったことが虐待につながるという意識が欠落していた」と述べました。

また、廊下で生活させたことを入所者の家族に伝えなかったことについては、エアコンの修理にそれほど時間がかかると思っておらず、伝えるタイミングを逃したと釈明しました。

豊橋市は施設の職員への聞き取りなど調査を進めたうえで、外部の専門家を交えた市の会議で虐待と認定した場合は愛知県に報告することにしています。