新薬開発の財源 処方薬の患者負担額を増やす方向で検討 厚労省

厚生労働省は、新薬の開発を後押しするため財源を捻出しようと医療機関で処方される一部の薬について患者の負担額を増やす方向で検討を進めていて、年末までに考え方をまとめたいとしています。

政府は、新型コロナのワクチンや治療薬の実用化で各国に後れを取ったという指摘があることから、新薬の開発を後押しすることにしていて、その財源を捻出しようと岸田総理大臣が先週、武見厚生労働大臣に薬の価格を定める制度の見直しを検討するよう指示しました。

こうしたなか厚生労働省は、先週(9月29日)社会保障審議会の医療保険部会で医療機関で処方される薬の患者の負担額について議論を始めました。

今の負担額は薬の価格の1割から3割ですが、部会では一定額を上乗せする案や特許が切れた薬や類似の市販品がある薬の負担額を増やす案などが示されました。

これに対し委員からは「新薬の開発を進めても保険財政への影響を抑えるために見直しを進めるべきだ」という意見の一方、「患者の負担が増えて必要な医療を受けられないことがないように丁寧に議論すべきだ」という指摘も出されました。

厚生労働省は、来年度の薬価改定も念頭に年末までに考え方をまとめたいとしています。