米 政府機関の閉鎖をぎりぎりで回避 「つなぎ予算」案が成立

アメリカでは、10月1日から始まる政府の新たな会計年度の予算をめぐり、当面、予算執行を続けるための「つなぎ予算」の案が議会上下両院で30日、可決されバイデン大統領の署名を経て、成立しました。
懸念されていた政府機関の一部が閉鎖される事態は、ぎりぎりのところで回避されました。

アメリカでは、10月からの新たな会計年度の政府予算案をめぐる協議が野党・共和党内の対立などで難航し、さらに議会下院で29日、当面の予算執行を続けるための「つなぎ予算」が否決されたことから、1日から政府機関の一部が閉鎖されるとの見方が強まっていました。

こうしたなか、共和党のマッカーシー下院議長は30日、党内の一部の保守強硬派が反対しているウクライナ支援のための予算を外した11月半ばまでの「つなぎ予算」の修正案を提出しました。

修正案は下院に続いて上院でも賛成多数で可決され、バイデン大統領が30日夜、署名して成立しました。政府機関の一部が閉鎖される事態はぎりぎりのところで回避されました。

政府機関の閉鎖はひとまず回避されたものの、予算規模やウクライナ支援のあり方などをめぐる与野党や共和党内の対立が解消されたわけではなく、11月半ばまでに新年度予算をまとめることができるのかは不透明です。

バイデン大統領「ウクライナ支援 中断してはいけない」

上下両院で「つなぎ予算」が可決されたことを受けてバイデン大統領は声明を発表し、「勤勉なアメリカ国民に不要な痛みを押しつけることを防いだ。国民にとってよいニュースだ」と歓迎しました。

一方で、バイデン大統領は「そもそもこのような事態になるべきではなかった」として、ことし5月に共和党のマッカーシー下院議長との間で歳出規模を巡って合意していたにもかかわらず、議会下院で共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めたことについて批判しました。

また、つなぎ予算にウクライナ支援が盛り込まれていないことを受けて「いかなる状況であってもウクライナへの支援を中断してはいけない」と述べてマッカーシー議長に対して支援継続に向けた対応を求めました。