9月の台風は2個 統計開始以降最少 気象庁“10月 油断せずに”

30日、フィリピンの東で台風14号が発生しましたが、9月に発生した台風は2個だけで、9月の台風の数としては気象庁が統計を開始した1951年以降、最も少なくなりました。気象庁は「10月も台風が出来て日本に接近する可能性はあるので油断しないでほしい」としています。

気象庁によりますと例年8月と9月は、海面水温が上昇するほか、熱帯で雨雲の発達が活発になることなどから台風が発生しやすく、北西太平洋や南シナ海では平年で8月は5.7個、9月は5個発生しています。

ことしは、8月に6個の台風が発生し、9月上旬には日本の南の海上を台風13号が北上して、関東や伊豆諸島では線状降水帯などによる大雨で川の氾濫や土砂災害などによる被害が相次ぎました。

9月30日未明には、9月2個目となる台風14号が発生しましたが、気象庁によりますと9月としては統計を取り始めた1951年や1973年、1983年と並んで最も少なくなっています。

要因の1つ“「モンスーントラフ」ほとんど現れず”

その要因の1つとして、気象庁はフィリピン沖に「モンスーントラフ」がほとんど現れなかったことを挙げています。

「モンスーントラフ」は、夏に南アジアから東南アジアにかけて現れ、フィリピン沖を流れる東寄りの貿易風の南側でインド洋からの季節風「モンスーン」が吹くことで生まれる、反時計回りの大きな風の循環です。

「モンスーントラフ」では雨雲がまとまり台風が発生しやすくなりますが、ことしの9月中旬から下旬にかけてはフィリピン沖で高気圧が発達して「モンスーン」が弱まったために台風が発生しなかったとみられるということです。

気象庁「10月も台風の影響に注意を」

一方、気象庁は10月も台風の影響に注意が必要だとしています。

10月の平年の台風発生数は3.4個で、過去には2019年の東日本台風など日本に接近・上陸して東日本や北日本の各地で川の堤防が決壊したり、土砂災害などが相次いで大きな被害となったこともあります。

気象庁は「10月も台風が発生して日本に接近する可能性はあるため、油断せず最新の天気予報を確認してほしい」としています。