“水産物輸入停止検討 ロシアは科学的根拠 基づく対応を”農相

東京電力福島第一原子力発電所の処理水の放出をめぐり、ロシアの衛生当局が中国の対応にならって、日本産の水産物の輸入停止を検討していると発表したことについて、宮下農林水産大臣はロシア側に処理水の安全性について情報提供を行うとともに、科学的根拠に基づく対応を求めていく考えを示しました。

福島第一原発にたまる処理水の放出を受けて中国は、8月から日本産の水産物の輸入を全面的に停止していますが、ロシアの衛生当局も9月26日に、中国が実施している規制に加わる可能性を検討していると表明しました。

これについて宮下農林水産大臣は29日の閣議のあとの記者会見で、「ロシア側から放射性物質のトリチウム残留量や、輸出用の水産物の放射性物質の検査方法に関する情報を提供するよう要請があったので、透明性の高い情報提供を行いたい」と述べました。

また、去年の水産物の輸出でロシア向けは全体の0.1%にとどまることに言及したうえで、「いずれにしても、ロシア側には科学的根拠に基づく対応を強く求めたい。しっかりコミュニケーションをとって、輸入制限につながらないように取り組んでいきたい」と述べ、ロシア側に対し、科学的根拠に基づく対応を求めていく考えを示しました。