長期金利 一時0.77%まで上昇 10年ぶりの高い水準

29日の債券市場では日本国債を売る動きが一段と強まり、長期金利は午前中に一時、0.77%まで上昇し、2013年9月以来、10年ぶりの高い水準となりました。

国債は、売られると価格が下がって、金利が上昇するという関係にあります。

アメリカでは金融引き締めが長期化するとの見方が広がっていることに加え、議会で予算をめぐる協議が難航し、一部の政府機関が閉鎖されることへの懸念から国債が売られ、アメリカの長期金利はおよそ15年11か月ぶりの高い水準まで上昇しています。

この流れを受けて、29日の債券市場では日本国債を売る動きが強まり、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りが午前中、一時0.77%まで上昇しました。

これは2013年9月以来、10年ぶりの高い水準です。

市場関係者は「アメリカの長期金利が高止まりする中、日本の長期金利も上昇傾向が続いている。日銀が将来的に金融緩和策を修正し、債券価格が下落するという観測も、日本国債を売る動きにつながっている」と話しています。

日銀 10月2日に臨時の国債買い入れ実施を発表

一方、日銀は29日、臨時で国債を買い入れるオペ=公開市場操作を10月2日に実施すると発表しました。

日銀は7月の金融政策決定会合で、金利操作の運用を見直し、長期金利の変動幅の上限について事実上、1%まで容認する方針を決めていますが、臨時の国債買い入れでこのところの長期金利の上昇を抑えるねらいがあるとみられます。

日銀の臨時の国債買い入れは、8月3日以来で、対象となるのは、残存期間が5年以上、10年以下の国債で買い入れ額は3000億円になるとしています。