アゼルバイジャン政府 ナゴルノカラバフ統合に向け本格始動

アゼルバイジャンが隣国アルメニアとの係争地のナゴルノカラバフで起こした軍事行動を受けて、敗北したアルメニア系の勢力が現地で作った「共和国」と称する組織が解体の手続きを始めました。アゼルバイジャン政府は統合に向けて本格的に動き出すものとみられます。

アゼルバイジャンとアルメニアの係争地のナゴルノカラバフでは、アルメニア系の勢力が「共和国」と称する組織を作って独立を宣言し、この地域を事実上支配してきました。

しかしアゼルバイジャンが今月19日に起こした軍事行動でアルメニア側が敗北したことを受けて、この組織は来年1月1日までに解体する手続きを始めました。

アゼルバイジャン政府はナゴルノカラバフの統合に向けて本格的に動き出すものとみられます。

こうしたなかおよそ12万人いたとされるアルメニア系住民が現地から逃れる動きも加速していて、アルメニア政府は28日夜、6割を超える7万6000人以上がすでにアルメニアに避難したとしています。

敗北したアルメニアは同盟関係にあるロシアへの不満を強めていますが、ロシア大統領府のペスコフ報道官は28日「情勢を注視している」と述べたうえでロシアは役割を果たしてきたと強調しました。

ロシアは最近、アルメニアが欧米に接近しているなどと批判を繰り返していて、旧ソビエトを勢力圏とみなすロシアの影響力の低下も鮮明となっています。