黒海艦隊司令官の安否 ウクライナ側とロシア側 異なる情報発信

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアにある黒海艦隊の司令部へのウクライナ軍による攻撃で、艦隊を率いる司令官の安否を巡りウクライナ側とロシア側がそれぞれ異なる情報を発信していて、真相は依然としてわかっていません。

ウクライナ軍は、南部クリミアの軍港都市セバストポリにあるロシア海軍の黒海艦隊の司令部に対する今月22日の攻撃で、艦隊を率いる司令官を含む34人が死亡したと主張しています。

これに対してロシア国防省は26日、ショイグ国防相が軍の司令官などと開いた会議の映像を公開し、黒海艦隊のソコロフ司令官とみられる人物がオンラインで参加している様子が映し出されています。

映像は、いつ撮影されたのかはわかっていませんがロシアのメディアは「司令官は健在だ」と伝えています。

この映像についてウクライナ軍の特殊作戦部隊は26日、SNSで「ロシア側は司令官が生存していると緊急に表明せざるを得なくなったものでわれわれは、この情報を解明している」と明らかにしました。

また「遺体の損傷が激しく、多くの身元は特定されていない」ともしています。

ウクライナのウメロフ国防相は26日、CNNの取材に対して、司令官の安否について「死亡したとすれば、誰にとっても朗報だ」としましたが、肯定も否定もしませんでした。

ウクライナ側がこのところ黒海艦隊への攻撃を強める中、そのトップの安否をめぐりウクライナ側とロシア側がそれぞれ異なる情報を発信していて、真相は依然としてわかっていません。