全米自動車労組スト バイデン大統領が現地訪問 組合員支持示す

アメリカのUAW=全米自動車労働組合が大手自動車メーカー3社に対するストライキを続ける中、バイデン大統領が現地を訪れ組合員を支持する姿勢を強調しました。現職の大統領がストライキの現場を訪れるのは異例のことで、来年秋の大統領選挙に向けて労働者の支持を固める狙いがあるものとみられます。

アメリカではUAW=全米自動車労働組合が、大手自動車メーカーのGM=ゼネラル・モーターズやフォード、それにクライスラーのブランドを傘下に持つヨーロッパのステランティスの3社との間の労使交渉で合意できず、9月15日から3社の組合員が初めて同時にストライキに突入しています。

こうした中、バイデン大統領は26日、中西部ミシガン州のストライキの現場を訪れました。

バイデン大統領は「組合が中間層を築き、中間層がアメリカを築いてきた。あなたたちにはいまよりもずっと多くの賃金を支払われるべきだ」と述べ、組合員を支持する姿勢を強調しました。

バイデン大統領は気候変動対策としてEV=電気自動車の普及を後押ししていますが、自動車産業の労働者の間では雇用の縮小につながることへの懸念が広がっています。

現職の大統領がストライキの現場を訪れるのは異例のことで、来年秋の大統領選挙に向けて労働者の支持を固める狙いがあるものとみられます。

一方、大統領選挙への立候補を表明している共和党のトランプ前大統領も翌27日に同じミシガン州内で組合員を前に演説を行う予定で、労働者の支持をめぐるアピール合戦が激しくなっています。