アルツハイマー病新薬「レカネマブ」承認受け価格など議論へ

アルツハイマー病の原因物質に直接働きかける新薬、「レカネマブ」が正式に承認されたことを受け、中医協=中央社会保険医療協議会で27日から、価格の算定や公的医療保険の適用をめぐる議論が始まります。

薬の効果や保険財政に与える影響をどう評価するかが焦点となります。

日本の製薬大手「エーザイ」がアメリカの「バイオジェン」と共同で開発した、認知症の原因の1つアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」は、原因物質に直接働きかけて取り除くための薬としては初めて、厚生労働省に正式に承認されました。

これを受けて中医協は27日から、価格の算定や公的医療保険の適用をめぐる議論を始めます。

すでに承認されているアメリカでは、年間の価格が1人あたりの平均でおよそ390万円に設定されていて、厚生労働省は患者の数などによっては、年間の市場規模が1500億円を超える可能性があるとしています。

このため価格を高額にし、保険適用にした場合には、保険財政を圧迫するという指摘がある一方、製薬会社側は介護費用や介護の負担軽減につながるなどと主張しています。

中医協は正式承認から90日以内に決めることになっていて、薬の効果や保険財政に与える影響をどう評価し、価格に反映するかが焦点となります。

認知症をめぐっては、政府は対応を強化するため、岸田総理大臣をトップとする新たな会議の初会合を27日開き、年末をめどに施策をとりまとめることにしています。