アルメニア事実上敗北 ロシアへの不満強める ロシアは批判も

アゼルバイジャンが隣国アルメニアとの係争地のナゴルノカラバフで起こした軍事行動でアルメニアは事実上、敗北し、同盟関係にあるロシアへの不満を強めています。これに対し、ロシア側は「同盟関係を破壊しようとしている」と厳しく批判し、両国の関係が一層冷え込んでいます。

アゼルバイジャンは隣国アルメニアとの係争地、ナゴルノカラバフで19日に「対テロ作戦」だとする軍事行動を行い、これに対し、アルメニア側は武装解除などを受け入れ、事実上、敗北しました。

アルメニアのパシニャン首相は同盟関係にあるロシアの平和維持部隊が役割を果たさなかったなどと不満を表明していますが、これに対し、ロシア外務省は25日、声明で、「ロシアに対する容認できない攻撃だ。外交や内政の失敗を押しつけている。欧米に触発され、ロシアとの同盟関係を破壊しようとしている」などと強く批判しました。

ウクライナへの軍事侵攻以降、ロシアはアルメニアへの影響力の低下が指摘され、一方、アルメニアはアメリカと合同軍事演習を行うなど欧米側に接近する動きを見せています。

一方、およそ12万人のアルメニア系の住民がいるとされるナゴルノカラバフからはアルメニアに避難する人が相次いでいて、アルメニア政府はこれまでに1万3000人余りが到着したと発表するなど、混乱が続いています。

こうした中、ロシアのメディアによりますと、情勢を安定させるため、アルメニアがEU=ヨーロッパ連合などの仲介で来月、パシニャン首相とアゼルバイジャンのアリエフ大統領との会談を模索していると伝えています。