ニホンライチョウ復活計画 3羽を動物園から中央アルプスに移送

絶滅のおそれがあるニホンライチョウの復活計画が進む中央アルプスに、26日、長野市の動物園などで飼育されたニホンライチョウ3羽が移送されました。

国の特別天然記念物のニホンライチョウは中央アルプスでは絶滅したとされていましたが、2018年にメス1羽の生息が確認されたのをきっかけに、環境省が復活に向けた計画を進めています。

その一環として環境省は、中央アルプスのニホンライチョウを長野市と栃木県の動物園に移して繁殖させたあと、再び中央アルプスに戻す取り組みを去年8月に初めて実施しました。

26日は2回目となる動物園からの移送が行われ、1羽ずつ入れられた3つの箱が、車やロープウエーを使って、標高およそ2600メートルの中央アルプス 千畳敷に運ばれました。

千畳敷で取材に応じた環境省信越自然環境事務所の小林篤専門官は「ニホンライチョウをここまで運んで来られて安心しました」と表情を緩ませていました。

このあと、環境省の職員が箱を背負って木曽駒ヶ岳の山頂付近へ向かい、3羽のニホンライチョウは午後3時すぎに、ケージと呼ばれる小屋に入れられたということです。

環境省によりますと、当初の計画では、2回目のニホンライチョウの移送は、動物園での繁殖を待って、来年、行われる予定でした。

しかし、繁殖が思うように進まなかったため、ニホンライチョウを早めに中央アルプスに戻そうと、26日の実施が決まったということです。

環境省は、今後、1週間程度、ケージの中でニホンライチョウを高山の環境に慣れさせたあと自然に放つことにしています。