ナゴルノカラバフ “アルメニア系避難民 約5000人”

アルメニア政府は隣国のアゼルバイジャン軍が係争地のナゴルノカラバフで起こした軍事行動のあと、現地から避難してきたアルメニア系の住民が25日までに5000人近くに達したと発表しました。事実上、敗北したアルメニア政府の責任を問う抗議デモも起きていて不安定な情勢が続いています。

アルメニアと隣国アゼルバイジャンの係争地のナゴルノカラバフには、およそ12万人のアルメニア系の住民がいるとされています。

アゼルバイジャン軍が19日、「対テロ作戦」だとする軍事行動を行い、アルメニア側が武装解除などを受け入れたあとは現地から避難する住民が相次いでいて、アルメニア政府は25日正午の時点で4850人が到着したと発表しました。

ロイター通信はナゴルノカラバフのアルメニア系の指導部の話として現地のアルメニア系の住民はアゼルバイジャン側からの迫害を恐れており、「99%以上の住民が歴史的な土地から離れることを選ぶだろう」と伝えています。

一方、アルメニアの首都エレバンでは、事実上、アゼルバイジャンに敗北した政府の責任を問い、パシニャン首相の辞任を要求する大規模な抗議デモが起きていて現地のメディアは25日、デモに参加していた168人が警察に拘束されたと伝えています。

今回の軍事行動で勝利宣言をしたアゼルバイジャン側はアルメニア側の軍の武装解除や、今後の帰属をめぐる話し合いを行っていますが、現地では不安定な情勢が続いています。