“貴景勝は大関としての自覚と責任を全う” 横綱審議委員長

大相撲の横綱審議委員会が開かれ、秋場所で4回目の優勝を果たした大関 貴景勝について、山内昌之委員長は「大関としての自覚と責任を全うした」と評価しました。

横綱審議委員会は25日夕方、東京 両国の国技館で開かれ、会合のあと山内委員長が記者会見しました。

この中で、秋場所で両ひざのけがから復帰し、4回目の優勝を果たした貴景勝について「11勝4敗という歴史的に見てもやや低い星数であったが、大関としての自覚と責任を全うした。もの足りない人もいるかもしれないがけがを乗り越えて優勝したことは多くの人に感動を与える」と評価しました。

横綱審議委員会が横綱に推薦する条件としては「大関で2場所連続の優勝」を原則とし、「これに準ずる成績をあげた力士を推薦する場合は、出席した委員の3分の2以上の決議が必要」と内規で定められています。

一方で、横綱昇進の議論を預かる日本相撲協会の審判部は、貴景勝について次の九州場所で「綱とり」がかかるかどうかは明言せず、「千秋楽まで見なければならない」と述べています。

これについて山内委員長は「来場所は多くの条件や前提が満たされれば、『綱とり』という期待がかかるのではないか。場所全体の土俵の姿勢や最終的な星取りの結果を踏まえて判断されると思う」という見解を示しました。

また、腰のけがなどで2場所連続で休場した横綱 照ノ富士については「十分な相撲を取ることが難しい事態になっているが、大相撲への貢献や責任の高さは評価していい。復帰を待ちたい」と述べました。

このほか、貴景勝と最後まで優勝を争った平幕で21歳の熱海富士を評価し、「飾らぬ人柄や、明るさもあいまって新しいファンが誕生したのではないか」と話していました。