病気原因で不妊 国内の第三者の卵子提供 約10年で12人出産 NPO

病気が原因で不妊に悩む女性に第三者からの卵子提供を仲介する取り組みを行っているNPOが、これまでの活動内容を報告し、およそ10年間で国内の第三者から提供された卵子によって12人の子どもが生まれたことを明らかにしました。

これは、患者の家族や医療関係者などで作るNPO法人「OD-NET」が25日、会見を開いて明らかにしました。

この団体では、国内で、卵子ドナーとなってくれる女性を募り、病気が原因の不妊により卵子提供での出産を希望する女性に仲介する活動を進めています。

団体によりますとこれまでのおよそ10年間で、20件の卵子提供を仲介し、このうち12人が出産したということで、いずれも母子ともに健康状態に問題はないということです。

このほかにも現在、1人が妊娠中で、5人が年内に治療を受ける予定だということです。

団体によりますと、国内での第三者からの卵子提供については国の制度や法律の整備が十分に進んでいないことが課題となっていて、この団体で卵子ドナーとして登録している女性は数名にとどまっているということです。

「OD-NET」の岸本佐智子理事長は「海外では卵子ドナーは多いと聞いているが、日本ではドナーが少ない状況だ。提供を受けたい患者は多いが対応しきれていない。早く安心して医療を受けられる体制づくりを進めてほしい」と話しています。