大型2種免許の取得条件の緩和で、これまでは「21歳以上かつ普通免許保有3年以上」が条件でしたが、特別な教習を受ければ、「19歳以上かつ普通免許保有1年以上」でも大型2種免許を取ることができるようになりました。
これに伴い、ことし札幌圏では初となる10代のバス運転手が誕生しました。
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19歳の運転手誕生も 深刻化するバス運転手不足 解決の糸口は?
カメラに向かって笑顔を見せてくれたのは19歳のバス運転手、藤盛勇斗さんです。
路線バスを運転できる大型二種免許の取得条件が去年5月に緩和されたことから、藤盛さんのような10代の運転手が誕生しています。
背景にあるのは人手不足。バス運転手の確保は全国的な課題で、中には事業の廃止を決めた会社も出てきています。
路線を維持し、市民の生活を守るためには、各地のバス会社で運転手の確保が急務となっています。
札幌圏で初、10代のバス運転手
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札幌市のバス会社で働く藤盛勇斗さん(19)です。
ことし5月に大型2種免許を取得し、運転手として独り立ちするため日々訓練を続けています。
バスは車体が大きい点や、乗客を乗せるなど気をつける点が多いため、指導員とともに一つ一つ課題を解決していきます。
藤盛勇斗さん
「お客さまの命を預かっているので、すごい緊張する。何かあってはいけないのでいろんな所に気を遣いながら、丁寧に慎重に運転しているつもりです」
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この日は、指導員なしで、はじめて1人で走行する日。
向かうのは札幌駅。丁寧に走行前の点検を行い、緊張しつつもバス会社を出発しました。
雨が降る中、交通量の多い朝の通勤時間帯での運転ですが、落ち着いてバスを走らせます。
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お客様の役に立てている実感の湧きやすい職業だと語る藤盛さん。
乗客からの声かけに対しても丁寧に対応していきます。
そしておよそ4時間の走行を終えて無事会社に戻りました。
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藤盛勇斗さん
「一日走りきったことですごく自信がつきましたし、これからなんとかやっていけるような感じがします。まだまだ始まったばかりなので、早く一人前の運転手になれるように精いっぱい努力していきたいです」
大型2種免許取得の条件緩和の背景にはバス業界の深刻な運転手不足があります。
全国のバス運転手の数は令和2年はおよそ11万4000人でしたが、令和4年にはおよそ9万7000人とわずか2年で1万7000人ほど減少しています。
会社では、人手不足の解決の糸口として期待を寄せています。
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じょうてつバス 川沿営業所 石黒寛章所長
「10代の方、20代全般の方も、私も俺もということでバスに乗ろうというきっかけになってもらえればありがたいかなと思っています」
7年後には“運転手3万6000人不足” 衝撃のデータも
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大都市圏のバス会社でも人手不足 確保は急務
バスの運転手不足は全国的に深刻化していて、今月、大阪 富田林市などを走る「金剛バス」の廃止が発表されるなど、各地で路線の廃止や便数の減少が相次いでいます。
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こうした中、大阪市のバス会社では、運転手の働き方などを知ってもらい、多くの採用につなげようと会社説明会が開かれました。
会社説明会を開いたのは、大阪に本社がある「西日本ジェイアールバス」です。
25日の説明会には運転手の仕事に関心がある9人が参加し、まず、バスの運行ルートや入社後の研修制度などについて担当者から説明を受けました。
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続いて、参加者はバスの中を見学し、運転席でミラーの位置を確認したり扉を開閉したりするなど操作を体験していました。
この会社には運転手がおよそ400人いますが、路線バスの増便や貸切バスの需要の増加に対応し切れなくなりつつあり、運転手の確保が急務になっているということです。
会社では、バスの運転免許を取得する際の費用を負担するなど待遇面の改善を通して人材確保につなげたいとしています。
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西日本ジェイアールバス勤労厚生課 吉見治男課長
「人材確保に危機感を感じて、初めて説明会を開催しました。運転手の仕事を身近に感じてもらって、一緒に働いてほしいです」