【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(24日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる24日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 ポーランド訪問 友好関係の維持努める

アメリカやカナダへの訪問を終えたウクライナのゼレンスキー大統領は、帰国途中の23日、隣国ポーランド東部にあるルブリンを訪れ、ウクライナへの支援に携わったポーランド人のジャーナリストや医療関係者を両国の関係強化に貢献したとして表彰しました。

このなかで、ゼレンスキー大統領は「強い隣国を持っていることを誇りに思う。われわれの間のどんな困難も、両国の国民の強い結びつきに比べれば大したことではない」と述べました。

ポーランドは、EU=ヨーロッパ連合の方針に反して9月からウクライナ産農産物の輸入を独自に禁止していて、ゼレンスキー大統領は19日、国連総会の一般討論演説で名指しは避けながらもポーランドの措置を批判しました。

これを受けて、ポーランドのモラウィエツキ首相が20日「今後ウクライナに武器は送らない」と述べた一方21日にはドゥダ大統領が「軍の近代化のために買っている最新鋭の兵器は送らないと言っただけだ」などと説明し、火消しをはかっていました。

ゼレンスキー大統領としては、両国の関係がぎくしゃくするなか、ポーランドに立ち寄って支援に感謝を示すことで、友好関係の維持に努めた形です。

ウクライナ軍 ザポリージャ州のロシア軍拠点で敵排除と主張

領土奪還を目指すウクライナ軍はロシア軍の第1防衛線を突破したとする南部ザポリージャ州で、新たに、ロシア軍の拠点で敵を排除したと主張しました。一方で、完全には拠点を奪還していないという見方もあり、激しい戦闘が続いているものとみられます。

南部ザポリージャ州で反転攻勢を続けるウクライナ軍は24日、8月下旬に奪還したロボティネからおよそ10キロ東のベルボベでロシア軍を排除し、陣地を固めていると主張しました。

これに先立ち、前線のウクライナ軍の指揮官は22日、CNNテレビのインタビューに対しベルボベで敵陣を突破したと述べ今後さらに突破口を開くことができるだろうとしています。

一方で、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は23日「ウクライナ軍はベルボベ近郊にあるロシア軍の防御陣地をすべて奪還したわけではない」と分析し、一部の陣地はロシア軍がいまだに支配している可能性が高いとしています。

ウクライナ軍はロボティネからさらに南の交通の要衝、トクマクを目指していますが、ウクライナのメディアは前線の部隊の報道官の話としてロシア軍の防御が固く、進軍が1日に50メートルから100メートルのときもあると伝えていて、激しい戦闘が続いているものとみられます。

ウクライナ軍 南部クリミアの攻撃「幹部会議の最中狙った」

ウクライナ軍の参謀本部は23日、空軍がこの1日の間に南部クリミアの軍港都市セバストポリにあるロシア海軍の黒海艦隊の司令部のほか、防空ミサイルシステムなどを攻撃したと発表しました。

このうち、司令部への攻撃について、ウクライナ軍の特殊作戦部隊は23日「幹部会議が行われている最中にタイムリーかつ正確に攻撃することができた」とSNSに投稿し、自分たちの情報をもとに空軍が攻撃を加えたとした上で「幹部を含む数十人が死傷した」と主張しました。

また、イギリスの公共放送BBCは、ウクライナ軍の関係筋の話として、攻撃にはイギリスとフランスから供与された巡航ミサイルが使われたと伝えています。

クリミアは、ロシアにとって黒海艦隊が駐留する戦略的に重要な拠点であるとともに、9年前に一方的な併合を宣言したプーチン大統領がみずからの力を誇示する上でも象徴的な場所です。

ウクライナ政府で安全保障政策を担当する国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は22日、SNSに「ロシア黒海艦隊には自発的な撤退か、それとも強制的な撤退かの2つの選択肢がある」と投稿し、今後クリミアでロシアの軍事施設への攻撃を強めていく構えを示しました。