中国・東ティモール首脳会談 関係格上げで一致

中国の習近平国家主席は、東ティモールのグスマン首相と会談し、両国の関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすることで一致しました。中国としては東ティモールとの関係強化を通じて、インド太平洋地域への関与を強めるアメリカをけん制するねらいがあるとみられます。

オーストラリアの北に位置する東ティモールのグスマン首相は、アジア大会に合わせて開催地の中国東部・杭州を訪れ、23日、習近平国家主席と会談しました。

中国はこれまで、東ティモールへの投資を拡大させ、道路や港の整備などの経済協力に力を入れています。

中国外務省によりますと、両首脳は会談で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた協力を推進していくことを確認し、両国関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすることで一致しました。

また中国外務省が発表した共同声明は、両国を結ぶ航空路線の早期開設や、石油や天然ガスの探査や開発で協力の可能性を探っていくとしているほか、両国が軍のハイレベルの交流を緊密に行うことや、軍事演習や装備などの分野で協力を強化していくことも、掲げています。

中国としては東ティモールと経済や安全保障など幅広い分野で関係を強化することで、インド太平洋地域への関与を強めるアメリカをけん制するねらいがあるとみられます。