佐賀 吉野ヶ里遺跡 “謎のエリア”発掘調査が再開

佐賀県の吉野ヶ里遺跡で、調査が手付かずのため「謎のエリア」と呼ばれてきた区域の後半の発掘調査が23日から再開されました。ことし4月に見つかり全国的な関心を集めた弥生時代後期の墓に続く新たな発見があるか注目されます。

吉野ヶ里遺跡では、遺跡のほぼ中央部にある「謎のエリア」と呼ばれてきた区域で、去年から10年ぶりとなる大規模な発掘調査が前半と後半に分けて行われていて、23日から後半の調査が再開されました。

作業員たちはスコップやこてなどを使って、ことし4月に出土して注目された弥生時代後期の石でできた墓、「石棺墓」の周辺で慎重に土を削っていました。

今回の調査では石棺墓の周辺を含む「謎のエリア」の南半分を対象に来年2月まで発掘を進めるということです。

茨城県から夫婦で遺跡を訪れていた60代の女性は「こんなに近くで発掘を見られるのは珍しいと思います。今後も副葬品が出ればいいなと思います」と話していました。

県文化財保護・活用室の白木原宜室長は「吉野ヶ里は掘れば掘るだけいろいろな情報が得られるすごい遺跡なので、どんな物が出るか皆さんに見守ってもらいたい」と話していました。

県では調査の再開に合わせて、発掘現場のそばで石棺墓の3Dデータを見られるようにするなどデジタル技術を活用した展示を行うほか、土器片を探す体験会などのイベントも開催する予定です。