中国とシリア 戦略的パートナーシップに関する共同声明を発表

中国の習近平国家主席は、シリア内戦以降初めて中国を訪れたアサド大統領と会談し、戦略的パートナーシップに関する共同声明を発表しました。
中国としてはアメリカの関与が弱まる中東地域で存在感を高めたいねらいとみられます。

中国の習近平国家主席は22日、アジア大会にあわせて中国を訪れているシリアのアサド大統領と開催地の東部・杭州で会談しました。

アサド大統領の中国訪問は2004年以来19年ぶりで、シリア内戦以降初めてです。

中国外務省によりますと、会談で習主席は、67年続く両国の友好関係を強調した上で「中国はシリアとほかのアラブ諸国の関係改善を支持する。シリアとともに『一帯一路』を通じた協力を進めたい」と述べました。

一方、シリアの国営通信によりますとアサド大統領は「国際舞台での中国の建設的な役割に希望を持っている。内政への干渉や、南シナ海などで緊張を作り出すことによって中国の役割を弱めようというあらゆる試みを拒否する」と述べました。

そして、両首脳は戦略的パートナーシップに関する共同声明を発表しました。

シリア内戦で欧米諸国などはアサド政権に対して制裁を科していますが、中国のメディアは、今回、アサド大統領が中国の航空会社の便で到着し歓迎を受ける様子など、中国側の厚遇ぶりを伝えました。

中国はことし3月、外交関係を断絶していたイランとサウジアラビアの関係正常化を仲介していて、アメリカの中東地域への関与が相対的に弱まるなか、存在感を高めたいねらいがあるとみられます。