ポーランド首相“武器送らない”発言 ドゥダ大統領 火消し図る

ウクライナへの支援を積極的に進めてきたポーランドの首相が「今後武器は送らない」と発言したことについて、ドゥダ大統領は「軍の近代化のために買っている最新鋭の兵器は送らないと言っただけだ」などと説明し、火消しを図りました。

ウクライナの隣国のポーランドは、軍事支援や避難民の受け入れを積極的に進めてきましたが、EU=ヨーロッパ連合の方針に反してウクライナからの農産物の輸入を独自に禁止し、ウクライナと対立しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、19日、国連総会の演説で名指しは避けながらもこの措置を批判し、これを受けてポーランドのモラウィエツキ首相が20日「今後ウクライナに武器は送らない」と述べ、ポーランドの方針転換を示唆するものとして注目されました。

こうした中、ポーランドのドゥダ大統領は、21日、地元テレビ局のインタビューで首相の発言について「最悪の形で解釈された。私の意見は首相は『軍の近代化のために買っている最新鋭の兵器は送らない』と言っただけだ」と述べ、火消しを図りました。

また、ドゥダ大統領は「農産物をめぐる争いは両国関係のほんの一部だ。関係全体に影響を及ぼすのはやめよう。それで利益を得るのは他国だけだ」と述べ、両国の対立がロシアを利することがないよう冷静な対応を呼びかけました。