新型コロナとインフルエンザ 最新の感染状況

新型コロナウイルスの全国の感染状況は、今月17日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が17.54人で、前の週の0.87倍となっています。厚生労働省は「緩やかな増加傾向が続いたのち2週連続で前の週から減少したものの、ピークを越えたかどうかは注視が必要だ。引き続き感染対策を徹底してほしい」としています。

新型コロナの感染状況 前週の0.87倍

厚生労働省によりますと、今月17日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から1万3234人減って8万6510人となりました。

また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は17.54人で、前の週の0.87倍となりました。

都道府県別では、多い順に
▽埼玉県が24.98人
▽千葉県が23.99人
▽宮城県が22.77人
▽愛知県が22.74人
▽岩手県が21.44人
などとなっています。

このほか、今月17日までの1週間に新たに入院した人は全国で8920人で、前の週と比べて2905人の減少となりました。

厚生労働省は、全国の流行状況について「緩やかな増加傾向が続いたのち2週連続で前の週から減少したものの、ピークを越えたかどうかは注視が必要だ。特に10代は増加しており、夏休みが明け学校再開の影響が続いているとみられる。引き続き感染対策を徹底してほしい」としています。

インフルエンザ患者数 前週の約1.5倍

インフルエンザの感染状況について、今月17日までの1週間に報告された1医療機関当たりの患者数は全国で7.03人と引き続き増加していて、7つの都県で「注意報レベル」となっています。

厚生労働省によりますと、今月17日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は3万4665人で、前の週からおよそ1.5倍に増えています。

1医療機関当たりの患者数は全国で7.03人で、地域ごとでは、
▽沖縄県が20.85人と最も多く、
▽千葉県が14.54人
▽愛媛県が12.07人
▽佐賀県が11.95人
▽東京都が11.37人
などとなっています。

このうち7つの都県では、今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があることを示す「注意報レベル」の基準値10人を超えています。

新型コロナ 夏の感染拡大の波はピークを越えたとみられる

感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は、新型コロナウイルスの現在の感染状況について「前の週から2週間連続で減少傾向が続き、入院患者の数も減少していることから、この夏の感染拡大の波はピークを越えたとみられている。ただ、人の動きは活発でマスクを着けていない人も増えている中で、ここから急に感染者の数が減少するとは考えにくい」と指摘しています。

また、今月20日からオミクロン株の派生型「XBB」系統に対応するワクチンの接種が始まったことについて「高齢者や基礎疾患のある人たちで、最後にワクチンを打ってから4か月から6か月が経過した人たちは重症化リスクも考えワクチン接種を早めに進めることが大事だ。ワクチンの接種には感染後に続く『後遺症』を抑える効果があるという報告もあるので、若い人でも重症化リスクのある人と接する機会のある人は接種を検討してもらいたい」と話していました。

インフルエンザ しばらくは感染拡大が続く兆候

「しばらくは感染拡大が続く兆候がみられている。近く、全国で『注意報レベル』の10人を超える可能性もあり、来週や再来週の推移は特に注意する必要がある」と話しています。

深刻な同時流行起こさないために対策を

そして「マスクを必要に応じて使うことや換気、3密を避けることなど基本的な感染対策が、コロナだけでなくインフルエンザの予防にも有効だ。深刻な同時流行を起こさないために対策を取ってもらいたい」と話していました。