#食べるぜニッポン 若手職員たちが仕掛けた支援の輪 今も…

「#食べるぜニッポン!」

今月、SNS上に突如として現れた、インパクトのあるフレーズ。
漁業関係者を支援したいと今も続くSNS投稿のきっかけは、役所の若手職員たちのアイデアでした。

SNSにおいしそうな魚の写真が大量に…

今月7日以降、SNSで「#食べるぜニッポン」のフレーズとともにおいしそうな刺身や海鮮丼などの料理の写真が大量に投稿され始めました。

きっかけになったのは、農林水産省がX(旧ツイッター)の公式アカウントで行った、この投稿でした。

皆様へ

日本産水産物の消費拡大に資する取組を実施します。
特にホタテ、ブリ、鯛、マグロ、練り物。
一人でも多くの方に、少しでも多く食べていただけると状況が劇的に改善します。

写真とともに#食べるぜニッポン を付けた投稿にご協力ください。

画像もダウンロードし自由にお使いください。

8月24日から福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まったことを受けて、中国は日本からの水産物の輸入を全面的に停止しています。

影響が広がる中、消費を促そうと農林水産省がSNSで日本の水産物の写真を投稿するよう呼びかけたところこれまでに2100万回以上表示されるなど大きな反響がありました。

投稿は個人だけでなく、外務省や自衛隊のほか、自治体や、食品を扱う企業の公式アカウントなども行うなど支援の動きが広がっています。

今も、多くの人たちが日本産の水産物を使った料理の写真とともに「おいしくいただきました」「食べて応援」などといったことばを添えた投稿を続けています。

おいしさや人のあたたかさ感じ…

このうち、宮城県七ヶ浜町で食べた海鮮丼の写真を投稿したのは都内に住む30代の女性です。

この写真は今月、宮城県を旅行で訪れたときに撮影したものだそうです。

マグロやたこ、イクラやエビなどがふんだんに乗せられた海鮮丼は驚くほどのおいしさだったといいます。

七ヶ浜町には漁師をしている知人がいて、中国の輸入停止や風評被害の影響は今のところ、出ていないということですが、少しでも日本の水産業の応援になればと、投稿したそうです。

あつ波さん
「知人は『これだけ検査をして出荷しているのは世界中を見ても、日本だけ。だから、世界一、安心安全の食べ物だ』と言っていました。震災のときの大変だった話も聞いて、自分にできることは多くないと思うけれど、これからも日本の海の幸を積極的に食べていきたいと思いました」。

日本にはおいしいものがたくさんある

広がり続ける、応援の思い。

取り組みを始めた、農林水産省の広報室にも話を聞きました。

農林水産省には20代の若手を中心にしたおよそ10人のSNSチームがあり、農作物の消費拡大のため、これまでもユーチューブや旧ツイッターのXなどで投稿してきたそうです。

今回は、中国の輸入停止の影響を受けて何か支援できないか若手メンバーを中心に考え、50個ほどあげた案の中から選んだのが「#食べるぜニッポン」をつけた投稿の呼びかけ。

自主的に投稿したくなるようなフレーズやインパクトのあるフォントを選んだといいます。

農林水産省 広報室 白石優生さんと縄田智子 課長補佐

農水省のアカウントでは自分たちの食事風景などを載せた投稿を繰り返していて、「いつもより少し多めに日本の水産物を買ってみようかな」と思える投稿を意識しているといいます。

農林水産省広報室
「最初に投稿した時は一晩で大きな反響があり、正直、想定を超えるものでとても驚きました。役所のSNSにもこんな可能性があるんだなと。これをきっかけに、日本にはおいしいものがたくさんあると感じてほしい」。

今晩、何食べようかな。

迷ったときには「#食べるぜニッポン」のことを思い出してみるのもいいかもしれません。