ナゴルノカラバフ軍事行動 アゼルバイジャンが勝利宣言

アゼルバイジャン軍が隣国アルメニアとの係争地、ナゴルノカラバフで開始した軍事行動でアゼルバイジャンのアリエフ大統領は勝利宣言しました。現地ではアルメニア側の武装解除が進められるとしています。

アゼルバイジャン軍が19日、隣国アルメニアとの係争地、ナゴルノカラバフで「対テロ作戦」だとする軍事行動に踏み切ったのに対し、アルメニア側は翌日の20日、現地での完全な武装解除などを受け入れて停戦に合意し、事実上、敗北した形となりました。

アゼルバイジャンのアリエフ大統領は20日夜、演説で「対テロ作戦が成功に終わり、主権が回復された」と勝利宣言したうえで、現地の統合に意欲を示していて現地では武装解除に向けて兵器の撤去などが始まっているとしています。

そして、21日にはアゼルバイジャン政府が現地のアルメニア側の代表者と、アルメニア系住民の帰属などについて協議したということです。

一方、アルメニアと同盟関係にあるロシアはプーチン大統領が20日、アルメニアのパシニャン首相と電話会談し、ロシア側によりますとプーチン大統領はロシアの平和維持部隊が果たしたとする役割を強調し、今後の情勢の安定化に期待を示したとしています。

ただ、アルメニア国内では首都エレバンで政府やロシアに対する大規模な抗議デモが起きているほか、ウクライナへの軍事侵攻以降、アルメニアのロシア離れも進んでいると指摘されていて、今後、この地域でのロシアの影響力の低下は避けられないとみられています。

アリエフ大統領 トルコ、ロシアと電話会談

アゼルバイジャンによる隣国アルメニアとの係争地、ナゴルノカラバフでの軍事行動で勝利を宣言したアゼルバイジャンのアリエフ大統領は20日、同盟関係にあるトルコのエルドアン大統領と電話で会談しました。

このなかで、両首脳は、軍事行動について意見を交わしたうえ、両国関係は緊密であると強調したということです。

またアゼルバイジャン国防省は21日、トルコのギュレル国防相からアゼルバイジャン側に軍事行動の成功について、祝意が伝えられたと発表しました。

一方、アリエフ大統領は21日、ロシアのプーチン大統領とも電話会談しました。

両国の発表によりますと、この中で、地域の状況の安定化やアルメニア人の住民の権利や安全の確保について話し合われたということです。

またアリエフ大統領は、プーチン大統領に軍事行動の結果、ロシアの平和維持部隊に死者が出たことについて謝罪したということです。

アゼルバイジャンとしては、軍事行動での勝利についてトルコ側との連携を強調する一方で、ロシアとの関係悪化を避けたいねらいもあるものとみられます。