ポーランド首相“ウクライナに武器送らない”農産物めぐり対立

ウクライナ産農産物の問題をめぐりウクライナと対立する隣国ポーランドのモラウィエツキ首相は20日、「今後ウクライナに武器は送らない」と述べました。ポーランドは積極的に軍事支援を進めてきただけに、各国の対応にも影響が及ぶか注目されます。

ポーランドは、今月から自国の農業を保護するためとしてEU=ヨーロッパ連合の方針に反して独自にウクライナ産農産物の輸入を禁止し、ロシアの侵攻で輸出が難しくなっているウクライナ政府は反発しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、国連総会の一般討論演説で名指しは避けながらもポーランドの措置を批判していました。

これに対し20日、地元テレビ局に出演したポーランドのモラウィエツキ首相は、ゼレンスキー大統領の発言は「不当なものだ」などと反論し、ウクライナへの軍事支援について問われると「今後武器は送らない。自国の防衛力の近代化を進めているからだ」と述べ、武器の供与を見直す考えを示しました。

ポーランドは、自国が保有するドイツ製の主力戦車「レオパルト2」を各国に先駆けてウクライナに供与する意向を示し欧米による軍事支援の強化の流れをつくるなど、支援に力を入れてきました。

ポーランド政府の一連の強硬な対応は、来月予定される議会選挙に向け農家など与党の支持層を意識した動きとみられますが、ウクライナへの支援を続ける各国の対応にも影響が及ぶか注目されます。