PFAS 東京 多摩地域で国の調査の約2.3倍の血中濃度検出

一部で有害性が指摘されている化学物質を含む「PFAS」について、専門家などが東京 多摩地域の住民を対象にした血液検査で平均で、国の調査のおよそ2.3倍の血中濃度が検出されたとする結果を公表しました。

「PFAS」は、人工的につくられた有機フッ素化合物の総称で、このうち「PFOS」と「PFOA」と呼ばれる2つの物質は、アメリカの研究などで有害性が指摘されています。

沖縄県のアメリカ軍基地周辺で国の暫定的な目標値を超える値が相次いで検出されたことを受け、京都大学大学院の原田浩二准教授と市民団体は、これまでに横田基地のある多摩地域の住民789人の血液検査を行い、21日、立川市で開いた記者会見で結果を公表しました。

それによりますと、検出されたPFOSとPFOAを合わせて平均値は13.9ナノグラムで、これは国がおととし、全国の3地点で行った調査の平均値の2.3倍にあたるということです。

多摩地域の30市町村でそれぞれ10人以上検査を行い、自治体別でみると高い順に国分寺市で23ナノグラム、立川市で19ナノグラムなどと北部地域が高い傾向だったということです。

オンラインで参加した原田准教授は「都は水道水などの調査で濃度が高い場所の取水を停止しているが、効果が出るのが遅いのか、土壌などほかの要因が考えられるのか調べるべきだ」と指摘しました。