韓国 最大野党代表の逮捕同意案が可決 逮捕状は裁判所が判断へ

韓国の国会で、背任などの疑いで検察から逮捕状が請求された最大野党の代表の逮捕同意案の採決が行われ、賛成多数で可決されました。これを受けて裁判所が、逮捕状を出すかどうか判断することになります。

韓国の最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表は、企業による北朝鮮への不正送金や、自治体のトップだった際の事業をめぐる不正に関与したとして、背任などの疑いで検察から逮捕状が請求されました。

憲法の規定で、国会議員のイ代表の逮捕には国会の同意が必要で、21日の本会議で逮捕同意案の採決が無記名で行われた結果、賛成票が149票と、出席した295人の過半数となり可決されました。

これを受けて今後、裁判所が逮捕状を出すかどうか判断することになります。

イ代表に対する逮捕状請求はことし2月に続いて2回目で、前回の逮捕同意案は否決されましたが、イ代表が、国会議員が逮捕されない特権を放棄する意向を示していたことなどから、国会で過半数を占める最大野党からも賛成に回る議員が相次いだとみられています。

イ代表は、政権運営を批判して断食を行い、現在入院中で21日の国会を欠席しましたが、逮捕同意案の可決により、今後の野党の党運営に影響が出るとみられます。

一方、21日の本会議では、野党が提出したハン・ドクス(韓悳洙)首相の解任決議案も可決されました。

法的拘束力がないため、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は引き続きハン首相を続投させるとみられていて、野党側と政権との間で対立が鮮明になっています。