日本テレビ 「スタジオジブリ」子会社化へ

日本テレビは、宮崎駿 監督の作品を手がける「スタジオジブリ」を子会社化すると発表しました。

日本テレビは、宮崎駿 監督のアニメーション映画を手がける「スタジオジブリ」の株式を議決権ベースで42.3%取得すると発表しました。

そのうえで、社長を含めた役員を派遣し、経営を支援する契約を結ぶことによって、10月6日付けで子会社化するということです。

子会社化後もスタジオジブリは、映画の制作などに専念していくとしています。

日本テレビは、1985年に宮崎監督の代表作「風の谷のナウシカ」をテレビで初めて放送して以降、映画番組を通じて作品の放送を続けてきたとしています。

宮崎監督や鈴木敏夫プロデューサーの後継者を探す中で、両社で協議した結果、今回の決定に至ったということです。

日本テレビは「スタジオジブリの価値観を尊重し続けてきたからこそ、今後もブランド価値を永続的に守り続けることができる」などとしています。

ジブリ 鈴木プロデューサー「経営は任せて作品づくりに没頭」

スタジオジブリの社長を退く鈴木敏夫プロデューサーは、今回の子会社化について「スタジオジブリは、想像を超えて大きな存在になり、個人ではなくて大きな力を借りないとうまくいかないし、安心して働くことができない。後継者の問題があるなかで、つきあいの長い日本テレビに経営をお願いするのは、周囲にも納得してもらえると思った。宮崎駿 監督にも話をしたが本人は納得していた。経営の部分は任せて、僕らは作品づくりに没頭する。都合の良い話だけど、今までどおりジブリをやってかまわない、それを守る中で両者の関係を深くしていこうということになった」と説明しました。

また、今後のアニメ制作の体制については「これまでいろいろやってきたが、宮崎監督に続く有望な監督を育成する困難さを知った。スタジオジブリは世界でも珍しい映画しか作らない会社だが、若い人材を育成するのに必要なのはテレビシリーズで、秀作を作ってもらうことだ。そのためには本物の経営者が必要だ」と話しました。

そして、宮崎監督の次回作について問われると「宮崎監督は、もし支持してくれる人がいるなら企画だけは考えても良いと思っているのは間違いない」と話していました。

また、会見に出席した日本テレビの杉山美邦会長は「今まで以上にアニメ作りが円滑にできるように、最大限の支援をしていきたい。日本テレビにとってもプラスになると考えている」と話していました。

新たにスタジオジブリの社長に就任する日本テレビの福田博之専務は「大役を仰せつかり緊張しているが、できるかぎりの力を発揮したい。間違ってもジブリファンをがっかりさせることはしません」と意気込みを語りました。