障害者向けグループホーム運営会社 食材費過大徴収疑いで監査

愛知県などで障害者向けのグループホームなどを運営している会社が、施設で提供する食事の材料費について、国の基準に反して実費を超える額を利用者から徴収していた疑いがあるとして、県から監査を受けたことが分かりました。

愛知県によりますと、監査を受けたのは、東京 港区に本社があり、障害者向けのグループホームなどを運営している「株式会社恵」です。

去年5月ごろ定期的に施設の帳簿を調べている岡崎市から「市内にあるグループホームが利用者の食事の材料費を水増しして徴収している疑いがある」と県に情報提供がありました。

グループホームで提供する食事の材料費は、厚生労働省が実費を徴収しなければならないと定めていることから、県が、去年12月、本社や県内の施設に監査を行ったところ、利用者から実費以上の金額を徴収していたことが確認されたということです。

愛知県によりますと、県内には43のグループホームがあり、県は、障害者虐待防止法が定める「経済的虐待」にあたる可能性もあるとして、施設が実費以上の額を徴収した理由などについて、市町村を通じて調査を進めています。

会社のホームページによりますとこの会社は愛知県や東京都など、全国の13の都県で施設を運営していて、厚生労働省は、ことし6月、施設のある自治体に実態を調べるよう通知を出しました。

川崎市の障害者グループホームでも過大徴収

障害者向けのグループホームなどを運営している会社が愛知県内の施設で食事の材料費を国の基準に反して実費を超える額を利用者から徴収していた疑いが出ている問題で、この会社が運営する川崎市内の施設では去年5月までの1年以上にわたり食事の材料費を過大に徴収していたことが分かりました。

会社は、市の指導を受け全額を返還したということです。

この施設は、東京 港区に本社がある「株式会社恵」が運営する障害者向けのグループホーム「ふわふわ川崎」です。

川崎市によりますと、この施設は去年5月までの1年4か月間、国の基準で実費の徴収と定められている食事の材料費が1人につき1か月当たり7500円程度だったにもかかわらず、およそ2万4000円を利用者から徴収していたということです。

過大に請求した額は合わせて430万円余りにのぼり市はことし1月、利用者に返還するよう指導し、そのあと、会社は全額を返還したということです。

川崎市は施設の運営状況などについて引き続き調査を進めています。

運営会社「対応を検討中」

「株式会社恵」はNHKの取材に対し、「行政機関の監査の対応中であり答えられない。必要に応じて、ホームページ上での発表や記者会見を実施するかどうかも含め、対応を検討している」としています。