サイバー攻撃「ランサムウェア」被害企業の9割 “業務に影響”

データを勝手に暗号化して、身代金を要求する「ランサムウェア」と呼ばれるサイバー攻撃の被害が、ことしも全国で相次いでいて、被害に遭った企業などのうち9割以上で、業務への影響が出ていたことが警察庁の調べで分かりました。新たな手口も確認されていて、警察は、セキュリティーの強化を呼びかけています。

「ランサムウェア」は、企業などのコンピューターに侵入してデータを勝手に暗号化し、復元と引き換えに金銭や暗号資産を要求するサイバー攻撃の手口で、警察庁によりますと、ことし6月までの半年間の被害は全国で103件確認され、去年の同じ時期の114件からわずかに減ったものの、高い水準で推移しています。

被害にあったのは6割近くが中小企業で、会社や団体の規模にかかわらず、攻撃のターゲットになっています。

警察庁の調査に回答した63の被害企業や団体のうち、「ランサムウェアによってすべての業務が停止した」と回答した企業団体が7つ、「一部の業務に影響があった」と回答した企業団体が53あり、95%の企業や団体の業務に影響がありました。

被害の調査や復旧にかかった費用では、「100万円以上1000万円未満」が回答した企業団体のうち43%、「5000万円以上」という回答も8%あり、1度被害に遭うと、影響が深刻になる状況が浮き彫りとなりました。

このほか最近は、データを暗号化せずに盗み取り「公開されたくなければ対価を支払え」と要求する「ノーウェアランサム」と呼ばれる新たな手口も確認されているということで、警察は企業などに対し、セキュリティーの強化を呼びかけています。