熊本地震の断層面 地震後 約50cmずれ動く 地下で確認は国内初

7年前の熊本地震を引き起こした「布田川断層帯」について、地震の前に掘削調査が行われていた熊本県益城町の断層を、熊本大学などが地震のあと再び調べたところ、断層面が50センチほど、ずれ動いていたことがわかりました。地震の前後で断層のずれが地下で確認されたのは、国内で初めてだということです。

7年前の熊本地震を引き起こした「布田川断層帯」は、南阿蘇村から宇土半島の北岸までを東西に貫く断層帯で、熊本地震では、地表に数十センチのずれが確認されました。

この断層帯の周辺にある益城町福原地区の畑では、1995年に起きた阪神・淡路大震災の翌年、地震の発生リスクなどを調べる掘削調査を熊本県が実施していて、熊本大学と東北大学の研究グループは、熊本地震の前後での断層の状況を比較するため、8月下旬から同じ場所で再び掘削調査を進めています。

調査は、深さおよそ2.5メートル、幅およそ5メートルの溝を掘って行われ、過去の調査の形跡が残る断層面が、最大で50センチほどずれ動いていたことが確認されたということです。

研究グループによりますと、地震の前後で、同じ場所の断層が動いたことを地下の地層から確認できたのは、国内では初めてで、世界でもアメリカ、ニュージーランドに次いで3例目だということです。

調査を行った「熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター」の鳥井真之特任准教授は「地下での活断層の動きを示す貴重な証拠で、活断層の位置を把握することが、防災対策の一助となる」と話しています。