アゼルバイジャン国防省 “降伏まで係争地で軍事作戦続ける”

アゼルバイジャン国防省は、隣国アルメニアとの係争地、ナゴルノカラバフで対テロ作戦を開始したと発表したのに続き20日アルメニア軍が降伏するまで軍事作戦を続ける構えを示しました。

アゼルバイジャン国防省は19日、隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフでアルメニア側によるテロ行為があったと主張した上で「軍事インフラを無力化する」などとして対テロ作戦を開始したと発表しました。

アルメニアの人権監視団は、アゼルバイジャン軍の作戦で市民7人を含む32人が死亡したほか、200人以上がけがをしたとしています。

アゼルバイジャン側は、これまでアルメニア側の60以上の陣地を掌握したとしていて、アゼルバイジャン国防省は20日「作戦を停止するのは現地のアルメニア軍が降伏した場合のみだ」として降伏するまで軍事作戦を続ける構えを示しています。

これまで停戦を仲介してきたロシアは、大統領府のペスコフ報道官が19日、即時停戦を求め、議会下院のカルタポロフ国防委員長は「現地に駐留するロシアの平和維持部隊を脅かさない限り、武器を使う権利はない」として軍事介入には消極的な姿勢を示しています。

ロシアは、アルメニアと同盟関係にありますが、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は19日「ウクライナでの戦争を背景にロシアがナゴルノカラバフでの平和維持活動を優先させる可能性は低い」としてロシアの影響力が低下していると分析しています。