個人金融資産2115兆円 過去最高に 株式や投資信託の残高増で

個人が保有する預金や株式などの金融資産はことし6月末の時点で2115兆円となり、過去最高を更新しました。株価の上昇などを背景に株式や投資信託の残高が増えたことが主な要因です。

日銀が3か月ごとに公表する「資金循環統計」によりますと、個人が保有する預金や株式、保険などの金融資産はことし6月末の時点で2115兆円となりました。

去年の同じ時期より4.6%増加し、過去最高を更新しました。

これは株価の上昇などを背景に株式や投資信託の残高が増えたためで
▽「株式など」は26%増えて268兆円
▽「投資信託」は15.9%増えて100兆円でした。

一方「現金・預金」は1.4%増加して1117兆円となりました。

個人金融資産全体に占める「現金・預金」の比率は52.8%となっています。

政府は来年1月に個人投資家を対象にした税制優遇制度「NISA」を拡充するなど、貯蓄を投資に振り向けて個人の資産形成や経済成長を後押しする施策を進めたいとしていますが、個人が保有する巨額の現金や預金が今後どう動くかが焦点となります。

松野官房長官「成長と分配の好循環を実現させていくことが重要」

松野官房長官は午後の記者会見で「家計に眠る現預金を投資につなげ、家計の勤労所得に加え、金融資産所得も増やし、成長と分配の好循環を実現させていくことが重要だ。来年1月に開始する新しい個人投資家向けの優遇税制『NISA』の普及促進、金融経済教育の充実などを進めていく」と述べました。