イラン大統領「アメリカは良心を」経済制裁の解除改めて求める

イランとアメリカの間で核合意の立て直しに向けた協議に進展があるかが注目される中、イランのライシ大統領は国連総会の一般討論演説で、「アメリカは良心を見せなければならない」と述べ、アメリカによる経済制裁の解除を改めて求めました。

イランとアメリカの両政府は交渉の末、双方で拘束されていた相手の国民5人を今月18日にそれぞれ解放したほか、アメリカはイランが海外に保有する資産の一部に対し、制裁による凍結を解除しました。

これをきっかけに、両国の間で交渉が難航している核合意の立て直しに向けた協議に進展があるかが注目される中、19日、イランのライシ大統領が国連総会の一般討論演説に出席しました。

この中で、ライシ大統領は、アメリカのトランプ前政権が核合意から一方的に離脱し、経済制裁を復活させたことについて、「約束を尊重するという原則に反した」と非難しました。

そのうえで、「アメリカは良心とともに、約束を守る真の決意を見せなければならない。今こそ正しい道を選ぶときだ」と述べ、改めて制裁の解除を求めました。

イランの核開発を制限する核合意をめぐっては、アメリカの離脱に対抗する形でイランが合意を大幅に逸脱する核開発を進めていて、国際社会が懸念を募らせています。