オリックス パ・リーグ3連覇 阪急時代含め15回目【詳しく】

プロ野球、オリックスは20日夜、ロッテに6対2で勝って、パ・リーグ3連覇を果たし、前身の阪急時代も含めて15回目の優勝を決めました。

パ・リーグでの3連覇は1990年から5連覇を果たした西武以来で、オリックスとしては1975年から4連覇を果たした前身の阪急以来となります。

《京セラドーム大阪 試合終了》       
ー123 456 789 計HE     
00 00 000 2110  
000 000 0X 690。

《逆転勝ちで優勝決定》

オリックスは優勝へのマジックナンバーを「2」として、20日夜、京セラドーム大阪で2位ロッテとの直接対決に臨みました。

試合はオリックスの先発、山崎福也投手が5回までに2点を奪われ、追う展開となりました。それでも7回、2アウト二塁の場面で6番・杉本裕太郎選手のタイムリーヒットで1点を返し、さらに同点として、チャンスで9番・野口智也選手のタイムリーで勝ち越しました。オリックスは打線がつながり、この回、一挙に6点を挙げました。

オリックスは6対2で勝ち、パ・リーグ3連覇を果たし、前身の阪急時代も含め15回目のリーグ優勝を決めました。

パ・リーグでの3連覇は1990年から5連覇を果たした西武以来です。またオリックスとしては1975年から4連覇を果たした前身の阪急以来となります。

中嶋監督を5回胴上げ

リーグ3連覇を果たしたオリックスの選手たちは、抑えを務めた山崎颯一郎選手を中心にマウンドに集まり、中嶋聡監督を5回、胴上げして、優勝の喜びを分かち合いました。中には、今月16日に体調不良で1軍の出場選手登録を抹消された、打率リーグトップの頓宮裕真選手の姿もありました。

中嶋監督「選手がすごかった 日本一を目指して頑張りたい 」

リーグ3連覇を果たしたオリックスの中嶋聡監督は優勝インタビューで「最高です。ピッチャー陣が頑張って助けてもらったし、野手もしっかり守っていいところで打ってくれたことが優勝につながったと思う」と選手たちをたたえました。

おととしは無観客の京セラドーム大阪、去年は仙台市での胴上げだったことを踏まえて「本当に何とかここで胴上げしたいと思っていたので、うれしい。選手がすごかった」と話し、3万5000人を超える観客の声援に応えました。

オリックスは、2位とのゲーム差が
▽おととしは2.5
▽去年はなしと、
わずかな差で最後までマジックナンバーがつかずに優勝しましたが、今シーズンは20日夜の時点で14.5の大差をつけて優勝しました。

このことについて「ゲーム差は関係なくて、まだまだ強くなれるチームだと思って、自分たちの野球を追求してきた。マジックもついたり消えたりするので、あまり気にしていなかった」と冷静に振り返りました。

若い選手や昨シーズンまで実績が少なかった選手が多く活躍したことについて「調子のいい選手、楽しみな選手、いろんな選手がいるなかで起用して、何とか花開いてほしいと思っていた。しっかり戦力になったのが大きいことだ」と選手たちの成長をたたえていました。

パ・リーグでの3連覇は中嶋監督が現役時代に対戦し、1990年から5連覇した西武以来となることについて「本当に強いチームだったので、その数字はとてつもないが、そこにチャレンジできるチームではあると思う」と早くも来シーズン以降への強い思いをのぞかせました。

最後にファンに向けて「すばらしい応援をありがとうございました。次のクライマックスシリーズを勝って、日本シリーズの時には、あんまり、はっきりと言いたくないのですが、日本一を目指して頑張りたい」と中嶋監督らしい、独特な表現で意気込みを話し、ファンをわかせていました。

《選手・監督 優勝会見》

【エース 山本由伸】
優勝の記者会見でエースの山本由伸投手は「ほかのチームとのゲーム差はあったものの、1試合、1試合、緊迫した試合が続いていたので、うれしい気持ちとほっとした気持ちだ」と心境を語りました。今シーズンのピッチングについて「いい登板もあれば負けてしまう登板も何試合かあった。いいところも悪いところもたくさん出たと思う。これから最後までしっかりと腕を振りたい」と話しました。今後のクライマックスシリーズや日本シリーズを見据えて「この勢いに乗って勝ち抜いて、監督をもう一度、胴上げできるように頑張りたい」と意気込んでいました。

【選手会長 杉本裕太郎】
選手会長で、20日の試合では7回に追い上げのタイムリーヒットを打った杉本裕太郎選手は試合後の優勝会見で「個人的に苦しんだシーズンだったが、最後に胴上げしてもらえると思っていなかった。幸せすぎて『我が生涯に一片の悔いなし』と思った」とファンであると公言している漫画「北斗の拳」のキャラクター、ラオウのセリフをまねながら心境を語りました。7回のタイムリーヒットについては「声援がすごく大きかった。ふだんは打席で声援が大きいとは感じないが、あの打席は耳に入ってきて打てる気がした」と振り返りました。そして、次のクライマックスシリーズに向けては「どこが勝ち上がってきても強い相手なので油断せずに1つ1つ戦っていきたい」と意気込んでいました。

【西武から移籍1年目の森友哉】
西武から移籍1年目で優勝を決めた森友哉選手は試合後の優勝会見で「オリックスでの優勝はまたちょっと違う感覚だが、両方とも嬉しい」と喜びを口にしました。

今シーズンの活躍については「満足いく結果ではなかったが、移籍して1年目でチームに貢献することができたのはよかったのかなと思う。毎打席、集中はするが、得点圏やチャンスはより集中して絶対に決めてやるという気持ちは、常に持ちながら打席に立っている」と振り返りました。また大リーグ・レッドソックスで活躍している吉田正尚選手が抜けたシーズンだったことについて「自分1人で穴を埋められるわけないと思ったので、全員で穴を埋めようと思っていた」と述べました。最後に次のクライマックスシリーズに向けて「まだあまり考えていない。とりあえず今、ほっとしている。西武では2回とも日本シリーズに行くことができていないので、今回は勝って日本一になりたいと思う」と意気込みを語っていました。

【現在打率リーグトップ 頓宮裕真】
ここまで打率リーグトップの頓宮裕真選手は試合後の優勝会見で「めちゃめちゃうれしい。大阪で決められてうれしい」と笑顔で心境を語りました。バッティングが好調の要因については「自分のできることだけを一生懸命やろうと決めていたので、それがいい方向にいって結果が出た。毎日、同じ意識で、同じ練習をしていたことで調子の波がなくなった。打率も残せて長打も打てて最高だ」と明かしました。タイトル争いについて質問されると「ゴールデングラブ賞のことですか?」と笑顔で答えたあと「首位打者は意識していなかったが、とれたらうれしい」と意気込みを示していました。

【中嶋聡監督】
中嶋聡監督は優勝の記者会見で「実感というか、胴上げが終わって勝ったなという感じだ。ホームでの胴上げを目標にやっていたし、実現できてうれしい」と心境を語りました。7回、2アウトから一挙6点をあげた打線については「奇跡のようなつながり方で、あそこまで連打が出るとは思わなかった。突出した数字はなかったが、1回、つながりだしたらすばらしい打線になるし、ここに来て調子がよくなった選手もいる」と満足そうに振り返りました。

2位に14.5ゲーム差をつけたことについては「ゲーム差は何も思わない。どこも強かったし、苦しい戦いばかりだった。選手が頑張ってくれて、一つ一つ、目の前のゲームに勝ってくれたことが結果につながった」と選手たちをたたえました。

リーグトップの14勝を挙げているエースの山本由伸投手については「数字どおりすばらしいピッチングだった。コンディションがそろわないときもあったが、最低限の仕事をしてくれて、失点を少なくしてくれたことが結果につながった」と活躍をねぎらったうえで、ほかの投手陣で活躍が目立った選手を聞かれると「挙げるときりがない」と防御率リーグトップの投手陣を高く評価しました。そして、3連覇の要因について質問されると「3連覇はできるとちょっと思っていたが、強くは思っていなかった。選手がどんどん成長するなかで自分たちで考える野球をやってくれた結果がいい方向にいった。選手の頑張りだと思う。頑張っているので起用したくなる」と選手をたたえることばを繰り返していました。

吉田正尚が祝福のメッセージ 首位打者ねらう頓宮にエール

優勝を祝うセレモニーでは、昨シーズンまでオリックスの打線の中心を担い、今シーズンから、大リーグ・レッドソックスで活躍している吉田正尚選手からのメッセージが大型スクリーンに映されました。

スタンドのファンから大きな歓声が上がるなか、吉田選手は「リーグ3連覇、おめでとうございます。日本一、2連覇に向けてクライマックスシリーズ、日本シリーズとまだまだ厳しい戦いが続くと思いますが、ことしも『全員で勝つ』で最後まで戦い抜いてください」と祝福のメッセージを送りました。

そして「最後になりますが、頓宮選手、ずる休みをしないで首位打者とってください。陰ながら応援しています」とユーモアも交えて、体調不良で1軍の出場選手登録を抹消されている打率リーグトップの頓宮裕真選手にエールを送っていました。

《OBからも祝福の声》

【阪急で先発の柱として活躍 山田久志さん】
オリックスの前身の阪急で1975年からリーグ4連覇を果たした当時、先発の柱として活躍した山田久志さんは「おととしと去年は苦しい優勝だったと思うが、ことしの戦い方を見ると強いチームの3連覇だった。本当にチームが一体となって戦う姿が格好よかった。おめでとう」と選手たちをたたえました。

3連覇を成し遂げたことしのチームについては「投手陣がしっかりしているので大崩れをしないし調子の波がない。抜きん出ているチームがない、今のプロ野球で3連覇というのは非常に大きな価値がある」としたうえで「先発投手はエースの山本投手を筆頭に左と右のいろいろなタイプのピッチャーがいてリリーフ陣も鉄壁だった。46年前を戦った投手としては言いたくないが、投手力ではことしのチームのほうが上だと思う」と絶賛していました。選手たちに向けては「ペナントレースと同じような戦い方、今までやってきた野球をすれば今のチームなら日本一を成し遂げられると思う」とエールを送っていました。

【“世界の盗塁王” 福本豊さん】
オリックスの前身の阪急で活躍し、“世界の盗塁王”とも呼ばれた福本豊さんは「本当に強いチームになったなと感じた。今シーズンのオリックスは余裕が感じられて、安心して野球ができていたと思う。ただ、簡単に優勝と言うが、3連覇なんて簡単にできないし、すごいことだ」と選手たちをたたえました。

ことしのチームについては「中嶋監督が選手たちをうまく競争させ、チャンスを与えられた選手がしっかりと働いていたと思う。前の日まで打っていたのに何で先発メンバーから外したのだろうかと思うこともあったが、かわりの選手が頑張り、その結果、メンバーを外された選手の心にも火がついて、うまくチームがまわっていたと思う」と中嶋監督の手腕を評価しました。選手たちに向けては「日本一への欲は持ちながらもよけいなことは考えず、与えられた場所でふつうにプレーすれば、達成できると思う。十分に強くなったと思うので自分たちの力を信じて気合いを入れて頑張って欲しい」とエールを送っていました。

「ビールかけ」の会場では

大阪市の京セラドーム大阪で行われたオリックスの祝勝会では、選手たちが3連覇を記念するTシャツと帽子を身につけて参加しました。はじめに中嶋監督が冒頭の挨拶で「本当に皆さんのおかげでここまで来られた。最高だ。日本一になって、アメリカのラスベガスまで行きましょう」と選手たちに呼びかけました。

選手会長 杉本裕太郎選手

このあと選手会長の杉本裕太郎選手がファンであると公言している漫画「北斗の拳」のキャラクター、ラオウをイメージした衣装を着て壇上にあがり、かけ声に合わせてビールかけが始まりました。祝勝会ではふだんは冷静な中嶋監督が頓宮裕真選手からビールをかけられるなどして、満面の笑みで3連覇の喜びを分かち合っていました。

ビールをかけられる中嶋監督

◆3連覇への軌跡◆

リーグ3連覇を果たしたオリックス。今シーズンの優勝までの道のりです。

オリックスはリーグ3連覇を目指し中嶋聡監督が4年目のシーズンに臨みました。開幕当初から5月まで月別の勝率は、5割台でしたが、6月からは先発陣に白星が多くついて投手陣の状態が改善し、7月には勝率が6割3分台まで上がりました。

エース 山本由伸投手

チームの成績は、エースの山本由伸投手の勝敗に比例して上がっていきました。山本投手は4月に2勝2敗の五分でしたが、5月以降は毎月、複数の勝利を挙げました。さらに9月には2位のロッテとの直接対決で2年連続2回目となるノーヒットノーランを達成しました。今シーズンはここまでリーグトップの14勝を挙げています。

偉大なエースとともにチームを支えたのが若手2人。22歳の宮城大弥投手と21歳の山下舜平大投手でした。

宮城投手は150キロを超えるストレートにスローカーブなどを織り交ぜる緩急をつけた投球でふた桁勝利を挙げ、山下投手は最速160キロの威力のあるストレートを軸に9勝をマークしました。

さらにリリーフ陣は、山崎颯一郎投手や抑えの平野佳寿投手などが安定していて、失点はリーグで最も少なく、投手陣はシーズンを通して安定した投球を続けました。

攻撃陣は、2年連続で首位打者を獲得した吉田正尚選手の大リーグ移籍による得点力の低下が懸念され、誰が中軸を務めるのか注目されていました。

こうしたチーム状況の中、今シーズン頭角を現したのが大卒のプロ5年目、頓宮裕真選手(26)です。打率3割台をマークしリーグトップを維持しています。頓宮選手はキャッチャーとして登録されていますが、今シーズンは、ほとんどを指名打者とファーストで出場し、バッティングに集中しました。

投打で若手が台頭したオリックスは、5月に1回、4連敗を喫した以外は、いずれも3連敗以下におさえて手堅く勝ち星を重ねてきました。夏場に入って強さが増し、8月には2回の引き分けを挟んで今シーズン最多の8連勝を記録。26日には、優勝へのマジックナンバー「24」を初めて点灯させました。

今月に入っても2位ロッテとのゲーム差を19日の時点で今シーズン最大の13.5まで広げ、安定した戦いぶりでリーグ3連覇を果たしました。

◇打の勝因は“ユーマー”の飛躍◇

優勝の要因を打者と投手から探ります。

まずは打者です。今シーズンは、大卒5年目の頓宮裕真選手(26)が大きく飛躍して中軸に定着しました。大リーグに移籍した吉田正尚選手に代わる活躍で打率はリーグトップをマークし、首位打者のタイトル獲得の可能性も出てきています。

頓宮裕真選手

<“ユーマー”と呼ばれたい>
岡山県備前市出身の頓宮選手は、大学の日本代表を経験してプロ入りした右バッターで背番号は「44」です。入団会見では自身の名前“ゆうま”にかけて「オリックスというか、阪急で背番号44と言えばあのブーマー選手です。私は“ユーマー”と呼ばれるように頑張りたい」と力強く決意を表明していました。憧れのブーマーさんとはことし8月に行われた始球式で初めて対面し、頓宮選手が打席に入りました。ブーマーさんからは「いずれは三冠王を狙えるような選手になってほしい」とエールを送られました。頓宮選手は「めちゃめちゃうれしい。期待に応えたいです」と固く誓っていました。

<“フォーム改良”で向上>
打撃向上の裏には、“フォーム改良”がありました。今シーズンの前から左足の上げ方を微妙に変えていたのです。真上に引き上げていた足を体の前へ振り出す形にしました。時間にしてわずか1秒足らず、これまでより長く上げています。スピードと力のあるプロのボールを余裕を持って“迎え打つ”ことがねらいです。

その効果については「昨シーズンまでは速いボールに振り遅れることがありましたが、それがなくなりました。しっかりセンター方向へ打ち返せるようになりました」と明かしてくれました。

序盤の4月5日から中軸で起用された頓宮選手は、改良したフォームで1軍のピッチャーとの対戦を重ねて一層の自信をつけていきました。6月は22試合すべてに中軸で先発出場し、打率3割7分2厘、ホームラン7本の好成績をあげ初めて月間MVPに選ばれました。その後も出場機会を得て打率3割台を保ち安定した成績を残していて、ここまで打率リーグトップです。

チームとしては、1989年のブーマーさん以来となる右の首位打者のタイトル獲得の可能性が出ています。

頓宮選手は「吉田選手のほうがはるかに打っていたので、吉田選手の穴を埋めようとか、大きなことは思ってませんよ」と謙虚な姿勢を崩しませんが、その存在は今シーズンのチームになくてはならないものでした。フォーム改良の効果でタイトル獲得に近づいている頓宮選手。多くのファンに“ユーマー”と呼んでもらえるように「まずは首位打者という初のタイトルに挑みたい」と決意を新たにしています。

◇投の勝因は21歳 山下舜平大の台頭◇

山下舜平大投手

投手ではプロ3年目、21歳の山下舜平大投手の台頭が優勝の要因の1つです。

<先発陣で最も若く>
プロ3年目、今シーズン1軍のマウンドに初めて上がった山下投手は身長1メートル90センチ、体重98キロ。

この大柄な若手は練習中に人気キャラクター「マイメロディ」が描かれたリュックサックを背負って移動しています。

投手陣の飲料水などが入っていて先発陣の中で最も若いピッチャーの役目です。

<エース山本由伸投手にかわって開幕投手に抜てき>
その先発陣最年少の山下投手は「何勝したいとか数字にこだわらず、登板するからには全部勝ちたい」と強い決意で今シーズンを迎えました。

初めての1軍マウンドは重圧のかかる開幕投手で、直前まで続いていたWBC=ワールド・ベースボール・クラシックで優勝したエースの山本由伸投手にかわって務めました。

去年まではケガの影響もあり1軍の登板はありませんでしたが、ことしは角度のある最速160キロ近いストレートに落差の大きいカーブで安定したピッチングを見せて好調ぶりをアピールしました。

開幕投手に抜てきされた山下投手は6回途中を1点に抑えて好投し、この試合は勝敗がつかなかったものの、次の登板から6月1日まで5連勝しました。

WBCから帰国した山本投手は、4月の初登板から4試合を2勝2敗で終えるなど本来のピッチングが影を潜めていました。

序盤はエースの状態が上がらず、チームの調子もいまひとつだった中で、山下投手は安定したピッチングで白星を重ね9勝を挙げました。

8月末に腰を痛めてチームを離脱せざるをえませんでしたが、「まだまだ先輩たちと競争できるレベルではない」と謙虚な面も見せています。

その一方で「自分で限界を決めないでいきたい。山本さんを越えていきたいという意識はある」と先発陣の柱としての自覚も芽生え始めました。

10月のクライマックスシリーズに、大車輪の働きをした新星の活躍が再び見られるか、注目が集まります。

◆3連覇要因 “育成と勝利”の両立にあり!?◆

中嶋聡監督が就任1年目に25年ぶりのリーグ優勝を果たし、一気に46年ぶりの3連覇を成し遂げた裏には「選手を育てながら勝利を手にする」という育成と勝利の両立を目指す一貫した方針がありました。

<2軍監督時代からの考え>
中嶋監督は2019年に2軍監督として初めてオリックスの指導に関わり、その後、翌年の途中から1軍の監督代行に就きました。当時から掲げていたのが“長所を大切にした育成と勝利の両立”で「そこに挑戦していくのがわれわれの仕事だ。どちらも取りにいく」と力強く語っていました。その考え方は監督就任1年目のおととしのシーズンも変わっていませんでした。

紅林弘太郎選手

<育成した若手を抜てき、ショート・紅林弘太郎選手>
就任1年目、ショートのレギュラーとして抜てきしたのが、高卒2年目、19歳の紅林弘太郎選手でした。中嶋監督が2軍で監督をしていた時に入団した身長1メートル87センチの大型ショートです。「ショートでホームランを打てることに価値と魅力があるのでもっと伸ばしたい」と育成方針を伝えられていた紅林選手は、監督からも「体格が長所だから、長打を打てるショートになってほしい」と指導を受けていました。ショートでデビューした年は136試合に出場しホームランを10本打ち、オリックスでは10代で初めてのふた桁ホームランでした。その一方で、紅林選手は育成段階が終わり1軍に定着したあとは指導の内容が変わったと明かしたうえで「最近は『大きいのを打て』とはあまり言われない。1軍では勝つための野球をする。求められる役割を果たすことが必要だ」と話していました。

<“ラオウ”の愛称で人気の杉本裕太郎選手も…>
中嶋監督の就任1年目に4番で起用され、その後、レギュラーに定着した杉本裕太郎選手も同じ方針で育成された1人です。身長1メートル90センチ、体重104キロの体格をいかしたパワーからの長打力が持ち味。2軍監督だった当時に起用され続け、その2020年のシーズンではウエスタン・リーグで最も多い14本のホームランを打ちました。杉本選手は2軍で培った長打力を1軍でも生かし、2021年のシーズンは32本のホームランを打ってホームラン王のタイトルを獲得しました。

<今シーズンは頓宮裕真選手>
中嶋監督が育成した選手は、今シーズンも活躍しました。2軍監督就任の年、2019年に入団した頓宮裕真選手です。広角に長打を打てるバッティングの長所を評価し中軸に起用しました。ポジションはキャッチャーの登録で、昨シーズンまでは最も多い年で81試合の出場でした。今シーズンは、ここまでキャッチャーでの起用を1回にとどめ、ファーストや指名打者で出場しています。
長所のバッティングを重視して起用を続けた結果、打率3割台を保って首位打者を狙える成績を残しています。

<手腕に高評価>
オリックスの福良淳一ゼネラルマネージャーは、育成した選手が結果を残しチームの勝利につながっていることについて「うちの選手は長所があるから入団している。長所は触りすぎずに育てることが大切。育成をしながら勝利をしているところが、中嶋監督のうまいところだ」と高く評価しています。

“育成と勝利の両立”という目標を3年連続で有言実行した中嶋監督。次は現役時代に果たせなかった2年連続日本一を目指します。

◆46年前の3連覇は◆

オリックスにとって、リーグ3連覇は1977年の前身の阪急以来、実に46年ぶりです。当時、就任4年目の上田利治監督が率いた阪急は、リーグ3連覇だけでなく、3年連続の日本一も成し遂げました。

強さを支えたのは、1969年、昭和44年に入団した「花の44年組」と呼ばれる選手たちでした。先発投手陣では、アンダースロー「サブマリン投法」の山田久志投手が柱でコントロールのよさと落差の大きいシンカーで、前年に26勝を挙げて最多勝と最高勝率のタイトルを獲得しました。このシーズンは16勝を挙げたほか、防御率2.28をマークして最優秀防御率のタイトルを獲得し2年連続のMVP=最優秀選手となりました。

野手では“世界の盗塁王”とも呼ばれた福本豊選手が中心で7月にはプロ野球記録となる通算597個目の盗塁に成功しました。このシーズンは61個の盗塁を決め8年連続の盗塁王に輝きました。

さらに3番でファーストの加藤英司さんが打率3割1分9厘の成績を残しました。

シーズン終了後にはパ・リーグのゴールデングラブ賞を山田投手と福本選手、それに加藤選手を始め9つのポジションのうち6つを阪急の選手が獲得しました。

このシーズンの成績は69勝51敗10引き分け。打撃陣が強力でリーグで唯一、500打点以上を挙げました。走・攻・守で、いずれも高いレベルの選手を擁していて、まさに黄金期でした。

《優勝の瞬間を見届けたファンは》

オリックスの優勝を球場で見届けたファンからは喜びの声が聞かれました。京都から観戦に訪れたという男性は「3連覇、ありがとうございます。弱かった時を知っているし、ずっと前から待ち望んでいたので、強いオリックスは最高です。選手のすべてを把握して起用する中嶋監督もすばらしい監督だと思います」と話していました。

《優勝決定試合 得点経過は》

【3回表】 ロッテが先制

ロッテはノーアウト1、3塁のチャンスで3番・ブロッソー選手のセカンドゴロの間に1点を先制。

【5回表】 ロッテが追加点

生還する岡選手

ロッテは2アウト2塁から3番・ブロッソー選手がレフトへタイムリーヒット。追加点を奪います。

【7回ウラ】 オリックス 2アウトランナーなしから猛攻 逆転

タイムリーを打つ杉本選手

オリックスは2アウト2塁から6番・杉本選手がセンターへタイムリーヒット。1点差に。さらに2アウト1、2塁で8番・紅林選手がライトへタイムリーヒット、同点に。続く9番・野口選手がライトへ勝ち越しのタイムリーで逆転。

1番・中川選手がセンターへのタイムリースリーベースで5-2に。
2番・西野選手がライトへタイムリー、6-2に。

杉本選手会長も胴上げ