米国防総省 “中国が台湾周辺海上や上空封鎖しても失敗する”

アメリカ国防総省の高官は、台湾への軍事的な圧力を強める中国軍が台湾周辺の海上や上空を封鎖した場合でも、台湾には国際社会と連携して物資の輸送を確保する方法があり、失敗するとの見方を示しました。

アメリカ国防総省でインド太平洋地域を担当するラトナー国防次官補は19日、台湾との防衛上の協力に関する議会下院の公聴会に出席しました。

この中で、ラトナー次官補は、台湾への軍事的な圧力を強める中国軍が、台湾周辺の海上や上空を封鎖した場合について、「われわれの分析に基づけば、台湾には、国際社会などと連携し、産業資源や原材料、エネルギーなどの輸送を確保する方法があるため、うまくいかないだろう」と述べました。

さらに、「中国にとっては商業船舶を攻撃するかどうか検討を迫られ、緊迫化の巨大なリスクを抱えることになる。大きな見込み違いとなるだろう」と強調しました。

一方、中国が台湾に軍事侵攻した場合の対応をあらかじめ明確にしない、「戦略的あいまいさ」をアメリカ政府がとり続けていることについては、「何十年もの間、台湾海峡をめぐる抑止力を形成していた。政策の変更は中国の軍事行動の引き金となる可能性がある」と述べ、維持する考えを示しました。