リビア大洪水 “気候変動が被害を拡大” 研究グループ発表

北アフリカのリビアで大規模な洪水をもたらした大雨について国際的な研究グループは、気候変動がなかった時代と比べると、こうした大雨が降る確率が最大で50倍高くなっていたとする研究結果を発表し、温暖化への対策を訴えています。

リビア東部では11日未明、発達した低気圧による大雨でダムが決壊するなどして大規模な洪水が発生し、犠牲者の数は2万人以上に上るという見方も出ています。

この大雨について、国際的な研究グループ「ワールド・ウェザー・アトリビューション」は、19世紀後半の地球と、平均気温が1.2度上昇した現在の地球について、観測データなどをもとにシミュレーションを行って大雨の発生確率などを比較し、19日、研究結果を発表しました。

それによりますと、気候変動がなかった時代と比べると、大規模な洪水をもたらした大雨が降る確率が最大で50倍高くなっていたと指摘し、気候変動が被害を拡大させた要因の1つとなったと指摘しました。

また、雨量についても、気候変動がなかった時代と比べ最大で50%増加したと分析しています。

研究チームは「長引くリビア国内の混乱などが、気候変動によって悪化した大雨と相まって甚大な破壊をもたらした」として、温暖化への対策を訴えています。