秋田で記録的大雨 あすにかけ北日本と東日本で大気不安定続く

湿った空気の影響で、北日本を中心に大気の状態が非常に不安定になっていて、秋田県では午後3時までの1時間に、およそ110ミリの猛烈な雨が降ったとみられます。

北日本と東日本では、20日にかけて大気の不安定な状態が続く見込みで、土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫に厳重に警戒してください。

気象庁によりますと、高気圧の縁を回って流れ込む暖かく湿った空気と気温の上昇の影響で、北日本を中心に大気の状態が非常に不安定になっていて、雨雲が発達しています。

秋田市西部付近では、レーダーによる解析で、午後3時までの1時間におよそ110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

その後も、秋田県には発達した雨雲がかかり続け、
▽午後5時までの1時間には、秋田県が秋田市に設置した雨量計で、
▽午後6時までの1時間には、国土交通省が由利本荘市に設置した雨量計で、
いずれも59ミリの非常に激しい雨を観測しました。

これまでに降った雨で、秋田県では土砂災害の危険性が非常に高まり、土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。

秋田県の大館能代空港では、午後2時前までの3時間に98ミリの雨が降り、気象庁が2003年に統計を取り始めてから最も多くなりました。

北日本と東日本では、20日にかけて大気の不安定な状態が続く見込みで、局地的に雷を伴って激しい雨が降り、東北では1時間に50ミリの非常に激しい雨が降るおそれがあります。

20日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、
▽北海道と東北で80ミリ
▽北陸で70ミリ
▽関東甲信越で60ミリ
と予想されています。

これまでに降った雨で地盤が緩んでいるところもあり、気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫に厳重に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうに十分注意するよう呼びかけています。

急に冷たい風が吹くなど、発達した積乱雲が近づく兆しがある場合は、頑丈な建物の中に移動するなど、安全を確保してください。

秋田市八橋の住宅地 大人のひざ下まで冠水

大雨の影響で秋田市八橋の住宅地では、道路やアパートの駐車場などが大人のひざ下の高さまで冠水していました。その周辺では、警察官が救助用のボートを持って救助が必要な人がいないか探している姿がみられました。

秋田市広面地区の飲食店 床全体が水につかる

大雨の影響で、秋田市広面地区の飲食店では、一時、店内に雨水が入り床全体が水につかったということです。

店主が午後3時ごろに撮影した動画には、雨水が玄関のドアを超えて店内に入り、床のフローリングがめくれあがっている様子が記録されていました。

店主によりますと、水が入らないようドアの外に土のうを積んだものの、水の勢いで押し流されたということです。

およそ1時間後には、水は引きましたが、店内は床全体が水につかり、フローリングや壁紙を交換しなければならない状態だということです。

店主の40代の男性は「ことし7月の大雨のときには、店内に水が入ることはなかったので、まさか、きょうこんな被害が出るとは思いませんでした」と話していました。

秋田県内3400戸停電発生(19日午後3時35分時点)

東北電力ネットワークによりますと、秋田県内では午後3時35分時点で、大雨の影響とみられる停電がおよそ3400戸で発生しています。

停電しているのは、
▽秋田市でおよそ3300戸
▽鹿角市でおよそ100戸
▽大館市で10戸未満だということです。

20日も厳しい残暑続く 冷房の適切使用など対策を

一方、19日も東日本や西日本を中心に晴れて気温が上がり、日中の最高気温は、
▽埼玉県鳩山町で35.8度
▽群馬県桐生市で35.6度
▽栃木県佐野市で35度ちょうどと、
関東の各地で35度以上の猛暑日となったほか、
▽京都市と前橋市、甲府市で34.1度
▽岡山市や大津市、岐阜市、富山市で33.8度
▽東京の都心で33.5度などとなりました。

群馬県桐生市では、ことしの猛暑日の日数が46日目となり、1994年に大分県日田市で観測された45日を超え、年間の猛暑日日数の記録を更新しました。

20日も厳しい残暑が続く見込みで、日中の最高気温は、
▽さいたま市や横浜市、甲府市、静岡市で34度
▽東京の都心や名古屋市、松山市、熊本市で33度
などと予想されています。

引き続き熱中症に十分注意し、環境省のホームページなどで「暑さ指数」を確認して、のどが渇いていなくても、定期的に水分をとったり、冷房を適切に使用したりするなど、対策を心がけてください。