損保ジャパンとビッグモーター きょうから立ち入り検査 金融庁

ビッグモーターによる保険金の不正請求問題で、金融庁は損害保険ジャパンとビッグモーターに対して、19日から立ち入り検査を行います。不正請求の実態に加え、損害保険ジャパンが去年、不正の可能性を認識しながら取り引きを再開した経緯についても詳しく調べることにしています。

損害保険ジャパンをめぐっては、去年7月、経営陣が不正の可能性があることを認識していながら、いったん中止していた取り引きを再開したことや、2019年に社内にビッグモーターに対応するチームを設けて損害査定を簡略化していたことがわかっています。

今回の金融庁の立ち入り検査では、経営陣の判断やビッグモーターとのやりとりに問題がなかったか詳しく調べるとともに、損害保険ジャパンの親会社のSOMPOホールディングスを含めたグループのガバナンス体制が機能していたのかという点についても調査することにしています。

また、ビッグモーターに対しては、保険販売を行う代理店として顧客保護に問題がなかったかなどを調べることにしています。

鈴木金融担当大臣は、立ち入り検査を前にした今月15日の会見で「問題の根本原因を特定すべく、深みのある実態把握を進めていく」と述べ、経営や内部管理の体制上の課題にふみこんで検査にあたる考えを示しています。