ウクライナ軍は、東部ドネツク州の激戦地バフムトの周辺で反転攻勢を強めていて、9月15日のアンドリーイウカに続いて17日にはバフムトの南西およそ6キロにある集落、クリシチーイウカを奪還したと発表しました。
ウクライナ国防省のマリャル次官は18日、「敵は失地回復に必死だが、われわれの兵士たちは攻撃を食い止め、陣地を固めている」とSNSに投稿し、戦果を強調しました。
また、南部ザポリージャ州でも、交通の要衝トクマクを目指して作戦を展開する中、マリャル次官は、8月下旬に奪還を発表したロボティネの南と東の地域で部隊が前進し、反転攻勢を始めて以降、合わせて260平方キロメートル余りを解放したとアピールしました。
南部の戦況について、イギリス国防省は18日に「ロシア軍は、ここ2週間でザポリージャ州に精鋭の空てい部隊を増派し、苦境にある部隊を強化したようだ。最前線のロボティネから数キロ以内に集中しているとみられる」として、ロシア軍が精鋭部隊を最前線に投入しているとの見方を示しました。
そのうえで、「空てい部隊は、地上部隊を補強するための歩兵として使われている」と分析しています。
一方、ウクライナ空軍は18日、ロシア軍が17発の巡航ミサイルと24機の無人機で攻撃してきたと発表しました。
ミサイルはすべて迎撃したものの、無人機の撃墜は18機にとどまり、南部オデーサ州の知事が、無人機がドナウ川沿いにある施設に命中し、一時、火災が起きたとSNSに投稿するなど、ロシアによる攻撃も繰り返されています。

ウクライナ軍 東部激戦地に近い集落相次ぎ奪還 南部も部隊前進
領土の奪還を目指して反転攻勢を続けるウクライナ軍は、東部の激戦地に近い集落を相次ぎ奪還するとともに、南部でも部隊を前進させていると発表しました。南部の最前線では、苦境にあるロシア軍が部隊を強化するため、精鋭部隊を投入しているとの見方が出ています。