途上国参加「G77」と中国 “不公正な国際秩序で課題より深刻”

多くの途上国が参加する国連のグループ「G77」と、中国による首脳会合がカリブ海のキューバで開かれ、現在の不公正な国際秩序によって途上国が直面する課題はより深刻になっているとして強い懸念を表明する政治宣言を採択し、欧米など先進国に対応を求めました。

G77は1964年に77か国で発足した国連のグループで、現在はグローバル・サウスと呼ばれる途上国や新興国など130以上の国と地域が参加しています。

G77と中国による首脳会合がキューバの首都ハバナで開かれ、キューバのディアスカネル大統領やブラジルのルーラ大統領のほか、中国からは習近平国家主席の特別代表として共産党序列7位の李希政治局常務委員が出席し、16日に政治宣言が採択されました。

政治宣言では「現在の不公正な国際秩序によって途上国が直面する課題はより深刻になっている」として強い懸念を表明し、食料やエネルギーの価格高騰、それに貧困や難民の増加などに対し、明確な対応策が示されていないと指摘しました。

一方、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻については「地政学的な緊張」という表現にとどめました。

宣言ではこのほか、科学技術分野での格差の是正や、新たな感染症によるパンデミックに備えた途上国への支援強化を求める内容なども盛り込まれ、グローバル・サウスと呼ばれる国々が欧米など先進国に対応を迫ったかたちです。