スケートボード 金メダリストの西矢椛が優勝 パリ五輪選考大会

スケートボードのオリンピック代表選考につながるストリートの大会がスイスで開かれ、女子は東京オリンピック金メダリストの西矢椛選手が優勝し、連覇を目指すパリオリンピック出場に向けて前進しました。

パリオリンピックのスケートボードの代表選手は、対象となる国際大会で得られるポイントに基づく世界ランキングで決まり、この対象となるストリートの国際大会が16日、スイスで行われました。

ストリートは階段や手すりなどが設置されたコースで
▽45秒間に何度も技を繰り出す「ラン」を2回
▽1回の技で勝負する「ベストトリック」を5回行い、それぞれの得点の高い合計点で競います。

日本勢4人が進んだ女子の決勝は16歳の西矢選手がランで多彩な技を繰り出して、88.91の高得点をマークしてトップに立ちました。

ベストトリックではミスが続きましたが、最後の5回目で、板を横方向に回しながらレールに飛び乗って滑り降りる得意の「ビッグスピンボードスライド」を決めて86.91をマークし、勝負強さを見せて合計259.81で優勝しました。

西矢選手は選考対象となる大会の4大会目で初めて優勝し、連覇を目指すパリオリンピック出場に向けて前進しました。

また、16歳の織田夢海選手はベストトリックの2回目で、板を裏表に回したあとに手すりに飛び乗り、後輪の車軸部分で滑り降りる「キックフリップフィーブルグラインド」を決め、95.25の高得点をマークし2位に入りました。

このほかの日本勢は吉沢恋選手が4位、東京オリンピック銅メダリストの中山楓奈選手はベストトリックで転倒し、肩の付近を痛めた様子で最後まで滑ることができず、6位でした。

男子は佐々木音憧が2位 堀米雄斗は5位

一方、男子の決勝にも日本勢4人が進出し、このうち16歳の佐々木音憧選手がランで2位につけ、ベストトリックでも巧みなボードさばきで得点を重ねて合計270.53をマークし、選考対象となる大会で初めて進んだ決勝で2位に入りました。

一方、各国・地域で最大3人が出場できるオリンピックの出場枠をめぐり、ここまで日本勢5番手と出遅れている、東京オリンピック金メダリストの堀米雄斗選手はベストトリックの2回目で、270度回ってからレールに板の先端部分を滑らせ、さらに270度回転して着地するオリジナルの大技「ユウトルネード」を決めて、96.95の高得点をマークしました。

しかし、ランでのミスが響いて合計得点を伸ばせず5位となり、オリンピック出場へ向け、依然として厳しい戦いが続いています。

このほかの日本勢は根附海龍選手が4位、東京オリンピック代表の青木勇貴斗選手が6位でした。

優勝はランと2回のベストトリックでいずれも90点台をそろえたアメリカのナイジャ・ヒューストン選手で、ここまでの選考大会4戦中3戦で優勝と、圧倒的な強さを誇っています。