ゼレンスキー大統領 国連総会出席など前に領土奪還の成果強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアが一方的に併合した南部クリミアで防空システムを破壊したほか、東部の激戦地に近い集落を奪還したとして「重要な成果だ」とアピールしました。反転攻勢の遅れも指摘される中、来週の国連総会への出席などを前に着実に領土の奪還を進めていると強調した形です。

ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、ロシアが一方的に併合した南部クリミアでロシア軍の地対空ミサイルシステムを破壊したとした上で「極めて重要な成果だ」と海軍などをたたえました。

また、ウクライナ軍は15日、東部ドネツク州の激戦地バフムトの南およそ10キロにある集落アンドリーイウカを奪還したと発表しました。

前線の指揮にあたるウクライナ軍の幹部はSNSに「これはさらなる攻勢につながる鉄道の完全制圧を意味する。われわれの任務はバフムトの包囲であり、アンドリーイウカなしには達成できないことだ」と投稿し戦略的に重要な奪還だと強調しました。

この集落の奪還についてゼレンスキー大統領も15日に公開した動画で「ウクライナにとって切望していた重要な成果だ」とアピールしました。

その上で「今月予定されている重要な国際イベントの準備を進めている。ウクライナにとって大きな成果が得られるよう全力を尽くす」と述べました。

反転攻勢の遅れも指摘される中、ゼレンスキー大統領としては、来週の国連総会への対面での出席やアメリカのバイデン大統領との首脳会談を前に、着実に領土の奪還を進めていると強調した形で、さらなる支援を訴えるものとみられます。