愛知 学校の運動場や公園 くぎなどの危険物多数見つかる

愛知県西尾市の公園で、小学生が地面に打ち込まれたくぎで足に大けがをした事故を受けて、愛知県内の市町村が点検したところ、学校の運動場や公園などで、くぎなどの危険物が多数、見つかりました。

多くは、野球のベースの位置などの目印として打ち込まれたもので、学校の安全対策の専門家は「全国規模で急ぎ調べる必要がある」としています。

ことし4月、愛知県西尾市の公園で、ソフトボールの練習をしていた小学生が地面に打ち込まれたくぎで足に大けがをしました。

これを受けて愛知県教育委員会の依頼で、名古屋市を除く県内のすべての学校が、運動場などを点検した結果、1265校のうち、およそ3割にあたる345校で、くぎなどの危険物が見つかりました。

また、NHKが県内の54の市町村に取材したところ、7割にあたる38の市町村で、管理する公園やグラウンド合わせて600か所余りで、くぎなどの危険物が見つかったことがわかりました。

くぎの多くは、野球のベースの位置などの目印として打ち込まれ、その後、どこに埋めたか把握できなくなっているものだということです。

学校の安全対策が専門の名古屋大学教育学部の内田良教授は「これまで重大な事故がなかったため問題が顕在化してこなかった。子どもたちが走り回る場所で、くぎが長らく放置されてきたというのは非常に危険なことで、全国規模で急ぎ調べる必要がある」と話しています。

公園や施設の対応は

ことし4月、小学生が公園で大けがをした愛知県西尾市では、いったん公園で見つかった金属製のくぎなどをすべて取り除いたうえで、ゴム製や樹脂製などのやわらかい素材の目印であれば、管理を徹底することを条件に設置を認める方向で検討しているということです。

また、愛知県小牧市の「南スポーツセンター」では、以前から安全性を考慮し、古くなった野球のベースを小さく切り、中心にひもを通したものを地面に埋めて使っているということです。

一方、目印の変更はコストがかかることなどから、多くの市町村では「すでに設置しているくぎの管理を徹底する」としています。